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首輪ユスリカ(5)

 クビワユスリカにとって,ヘビトンボの幼虫に便乗して安全に暮らすためには,胸部の腹側(脚の付け根)が一等席と言えます.しかし,ここには,ほとんどの場合,1匹のクビワユスリカの幼虫しか付いていません.別のクビワユスリカの幼虫が来たら,いったいどうなるのでしょうか.1匹のヘビトンボの幼虫には,複数の(2匹以上の)クビワユスリカの幼虫が同時に付いている場合があります.その場合には,1匹が胸部の腹側に,他方が腹部の総状鰓のところに付いていることがわかりました(この論文).ちょうど,椅子取りゲームのような感じです.椅子を取り損ねた幼虫は腹部に待機しているようです.不思議なことに,胸部に陣取っていた幼虫が蛹化して羽化すると,いつの間にか,そこに別の幼虫が来ているのです.試しに,クビワユスリカの幼虫をそっと取り外して,別のヘビトンボの幼虫の腹部に移しかえてみる実験を行いました.クビワユスリカがまったく付いていないヘビトンボの幼虫に移しかえてやると,翌日には,ちゃんと胸部の腹側に付いています.すでにクビワユスリカが胸部に陣取っているヘビトンボの幼虫に移しかえてやると,いつまでも腹部から移動できないでいます(ときには,便乗しているヘビトンボの幼虫自身に食べられてしまうこともあります).
 お互いにどうやって相手を認識しているのか不思議でなりません.不思議と言えば,クビワユスリカの幼虫は,自分が便乗しているヘビトンボの幼虫が脱皮すると,あっという間に脱皮したての色の白い幼虫に乗り移っているのです.幼虫の脱皮は胸部の背中側が割れて,そこから新しい幼虫が出ます.胸部の腹側にいたクビワユスリカの幼虫は,いったいどうやって脱皮を察知して,乗り移るのでしょうか.人間には想像もできないような鋭い感覚があるのでしょうね.
          クビワユスリカのメスの成虫
クビワユスリカメス成虫

 
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