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首輪ユスリカ(4)

 ヘビトンボの幼虫の胸部側面に作られた繭の中の蛹は,3日ほどすると,浮かび上がります.ヘビトンボの幼虫に触れることなく浮かび上がらないと食べられてしまう危険があります(そのために胸部側面や脚に繭を作る).水面に達すると,クビワユスリカの成虫が羽化し,飛び立ちます.クビワユスリカの成虫の体色はグレーで,翅は透明です(下の写真はオス).しかし,腹部の色には地理的変異があって,日本産のオスでは腹部全体がグレーですが,台湾やマレー半島産では腹部の途中が黄白色になって奇麗です.成虫の生態については不明で,交尾や産卵行動は一切わかっていません.産下された卵塊から孵化した1齢幼虫が,どのようにヘビトンボの幼虫を探し出して便乗するのかもわかっていません.
 ともかく,クビワユスリカの一齢幼虫が,ヘビトンボの幼虫に便乗できたなら,胸部腹面に定位することがもっとも安全です.ヘビトンボの幼虫は捕食者なので,体表をごそごそ歩いていると(刺激すると),あっという間に大顎で捕獲されて食べられてしまいます.また,背面は石の隙間に潜るときなどにこすれてしまうので危険です.ヘビトンボの幼虫はとても柔軟で,くるりと体をまいて,大顎でえらをしごいて体表の掃除も行います.脚を使って頭部背面をごしごし掻いたりもします.しかし,胸部腹面は,大顎が届きません.脚で掻くこともできません.ここには3対の脚があるので,石の表面と擦りあうこともありません.ここが一等席なのです.(つづく)
クビワユスリカ成虫
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