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日本のカマキリ類の交尾行動(3)

 カマキリ類のメスの腹部末端は下の写真に示すように,産卵管(産卵弁)が”さや”(第7腹板)の中にすっぽりと挟み込まれた状態になっています.内部生殖器の開口部は産卵管と”さや”に隠されてしまっているので,オスは交尾の時に,まず,産卵管を”さや”からはずさなければなりません.はずすと,その奥に開口部があり,精子の入った精包と呼ばれる白い物質をそこに差し込んで交尾は修了です.そこで,オスの交尾器のキチン化した棘に微小蛍光ビーズを塗布してから交尾させ,交尾後に蛍光ビーズがメスの腹部末端のどこに付着しているのか調べたり,それぞれの棘(先端部)を切り取ってしまったオスをメスとかけ合わせて,交尾可能かどうかを調べたりしました.その結果,オスの交尾器の左向きの棘がないと産卵管を”さや”からはずせないことがわかりました.この棘を一定の方向から固定して,てこの原理を利用してはずすのではないかと考えられました.まったく交尾経験のないオスでも,最初から自身の腹部をメスの腹部の右側から下に曲げて(前々回の図のEのように)交尾をしました.つまり,交尾器の左右非対称性と腹部の曲げ方はセットとして生得的に決まっているようです.以上のことはonline firstとして先日出版されました(この論文).
オオカマキリのメスの腹部末端
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