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カンタリジン世界(1)

 ツチハンミョウ類とカミキリモドキ類は,カンタリジンという化学物質を体内で合成して,天敵から身を守ります.自然界では,唯一この2つのグループの生き物しかカンタリジンを生合成しません.カンタリジンは有毒物質で,これを食べてしまったり,これに触れたりすると危険です.ところが,不思議なことに,このカンタリジンに誘引される生き物が自然界には意外と多くいるのです.カンタリジンは昇華性で(ナフタリンのように,固体から液体を経ずに気体になる性質),その微量をプラスチック容器に入れておくだけで,いろいろな節足動物が集まってきます.そこで,我々は,カンタリジンという化学物質を介して相互作用する生物群集を「カンタリジン世界」と呼んで,その作用系をまとめました(この論文).
 カンタリジンに誘引される生き物の一つとして,ヌカカという双翅目の昆虫がいます(下の写真はヒラタヌカカ属 Atrichopogon insularis のメス).ヌカカ類はメスが吸血性で,昆虫など節足動物の体表や翅から体液を吸う種を多く含んでいます.カンタリジンに誘引されてくるヌカカ類の種では,もっぱらメスが集まるので,カンタリジンあるいはそれに類似の化学物質を手がかりにして,吸血すべき節足動物を探していると考えられます.(つづく)
ヒラタヌカカ属
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