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エゴヒゲナガゾウムシの長期休眠

 昨日のブログで,エゴヒゲナガゾウムシのオスの目が突出することを紹介しましたが,この虫には,もう一つおもしろい習性があります.エゴの実(あるいはハクウンボクの実)に産みつけられた卵はしばらくすると孵化して,中身を食べながら幼虫が育って行きます.秋までに終齢幼虫になり,実の中でそのまま休眠に入ります.その幼虫は冬を越して暖かくなると休眠から醒め,蛹化して成虫になります(1冬後)が,なかには,そのまま覚醒せずに,何度も冬を越してやっと成虫になる個体がいるのです.その年に産卵されたエゴの実をたくさん集めて,ずっと半自然状態で5年間置いた結果,21.7%が1冬後に,38.3%が2冬後に,2.7%が3冬後に,0.3%が4冬後に成虫として羽化しました(この論文).その後に羽化した成虫はいなかったので,あとは成虫になれずに途中で死んでしまったものです.休眠期間が,このように個体によってまちまちなのはどうしてなのでしょう.エゴ(あるいはハクウンボク)は,毎年実をつけるとは限りません.メスにとって,もし翌年にその付近のエゴの木が結実しなかったら,自分の子が全滅してしまいます.しかし,子供は翌年に成虫になるものもいれば,その次の年,あるいはさらにその次の年に成虫になるものもいるので,絶滅が回避できるというわけです(さすがに3年以上続けて結実しないことはない).
写真はまだ若いエゴの実
エゴの実
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