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3月の西表島(4)

 写真は西表島で放し飼いにされている牛の背中にアマサギが止まっているところです.アフリカでサイの背中や首筋に鳥が止まっていてダニなどの寄生虫を食べているという映像を見たことがあると思います.サイは寄生虫を取ってもらえ,鳥は餌を簡単に得られるので,両者は相利共生の関係にあると見なせます.一方,鳥が哺乳類や大型の爬虫類などの皮膚をつついて出血させ,その血を吸うという行動も稀に知られています.吸血したダニを捕食したり,寄生虫を剥がしたところが出血したりすると,吸血するという行動が稀に学習によって獲得されることがあると考えられています(吸血を専門とする鳥はいない).この場合,鳥と宿主はいわゆる寄生の関係になってしまいます.
 写真では,たまたまアマサギが1羽だけ牛の背中にいましたが,普通は牛の周りにいます.牛が歩くと,それに驚いてカエル類,バッタ類,コオロギ類などが跳ねて逃げます.アマサギはそれをねらって牛の周りにいるのです.自分で探すより,牛について回った方が餌を見つけやすいのです.この場合,牛とアマサギはどのような種間関係にあるのでしょうね.

牛の背中のアマサギ
牛の牛の周りのアマサギ
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3月の西表島(3)

 八重山群島には,カンムリワシ という小型の猛禽類が生息しています.本種は,亜熱帯林や熱帯林の樹林内で狩をします.下の写真の個体は,まだ羽毛が白いので若い個体です.

カンムリワシ

3月の西表島(2)

 セマルハコガメという陸ガメは,日本では石垣島と西表島にしかいません.日本産のものは,ヤエヤマセマルハコガメという亜種として区別されています.この貴重なカメには,また,カメキララマダニというマダニが寄生しています.下の写真で,首から右前足にかけての皮膚にこのマダニが多数付いて吸血しています.マダニ類は,卵,幼ダニ,若ダニ,成ダニという生活環を有していますが,カメキララマダニの成ダニは,陸生あるいは半水棲のカメ類のみを宿主とします.幼ダニ,若ダニはカメ類以外にもキノボリトカゲなどの爬虫類から吸血することもありますが,カメ類がいないと滅びてしまいます.日本では本州のごく一部と沖縄本島および石垣島,西表島がその生息地です.下の写真を見ると,カメもマダニもこの地域で健全に暮らしていることがわかりますね..
文献:ダニのはなし(II),1990年,技報堂出版.
   日本ダニ学会誌, 7: 47-50.1998年.

セマルハコガメ(ヤエヤマセマルハコガメ)

3月の西表島

 石垣島,西表島,与那国島を含む島々を八重山群島と呼びます.ここにはいろいろな固有種,固有亜種が生息しています.イリオモテヤマネコはその代表格です.この地域に棲むクビワオオコウモリもヤエヤマオオコウモリという亜種になっています.

クビワオオコウモリ(ヤエヤマオオコウモリ)

卒業・修了式

 今年度の生命科学科の卒業式と生命科学専攻の修了式は,研究室単位で証書を手渡すだけの簡単な方法になりました(ただし,博士の学位記は理学研究科として授与).各階にある2箇所の踊り場には下の写真のような飾りが置かれ,そこで記念撮影が行えるように配慮されていました.

2019年度卒業・終了式

3月の奄美大島(3)

 奄美大島には,2種のハブの仲間がいます.大きい方がハブ(本ハブ),小さい方がヒメハブです.下の写真は,ヒメハブ,ヘリグロヒメトカゲ,シマヨシノボリです.シマヨシノボリは産卵期を迎えてメスの腹部が卵で膨らむと同時に,青く光っています.

ヒメハブ
ヘリグロヒメトカゲ
シマヨシノボリの繁殖期のメス

3月の奄美大島(2)

 3月の奄美大島の鳥の写真です.上から,アマミヤマシギ,リュウキュウコノハズク,アカヒゲ です.

アマミヤマシギ
リュウキュウコノハズク
アカヒゲ

3月の奄美大島

 奄美大島の森は比較的良い状態で残っています.かつて大規模に伐採をしていたので,細長い木が多いですが,樹冠が鬱閉した典型的な照葉樹林となっています.そこには,アマミノクロウサギなどの珍しい生き物が生息しています.
奄美大島の照葉樹林
奄美大島のアマミノクロウサギ

カタツムリトビケラ類の幼虫

 先日,やはり大学院生がカタツムリトビケラ類の1種の幼虫の写真を撮ってくれました.直径 1.5 mm にも満たない小さいトビケラ類(毛翅目)で,渓流や細流の砂に紛れて生息しています.拡大して見ると,確かにカタツムリの格好をしています.小さい砂つぶを糸で貼り合わせてコイル状の巣にして,その中に細長い幼虫が潜り込んでいます.少ない材料で長くて丈夫な筒を作る最適の方法だと思いませんか?写真は上が背面から,下が腹面から撮影しています.

カタツムリトビケラ類の幼虫(背面)
カタツムリトビケラ類の幼虫(腹面)

シリブトガガンボ類の幼虫はコケ擬態?

 先日,研究室の大学院生が埼玉でシリブトガガンボ類の1種の幼虫の写真を撮ってきてくれました.コケ,特にミズゴケ類にそっくりの幼虫です.背中側の突起,体側の突起など形だけでなく質感もコケそのものです.こうした隠蔽型の擬態は本当にたくさん存在します.目で餌を探すタイプの天敵による捕食圧がこの地球上の生物に強く作用していることは明らかなのですが,それをいざ実証しようとするとこれが大変難しいのです.野外での生存率の測定,捕食頻度の推定を正確に行うことはほぼ困難です.逆に言えば,これをどう行うかが研究の一つの腕の見せ所です.

シリブトガガンボ類の1種の幼虫
シリブトガガンボ類の1種の幼虫(背面)

カバシタムクゲエダシャクのメス

 早春(晩冬?)に出現する カバシタムクゲエダシャク は,いわゆるフユシャク類の1種で,メスの翅は退化しています.昨日紹介したオスとはまったく似ておらず,狐につままれたような感じですね.

カバシタムクゲエダシャクの産卵

カバシタムクゲエダシャクのオス

 先日,大学院生が,早春にしか出現しないカバシタムクゲエダシャクの写真を撮影してきました.下の写真はそのオスです.後翅の樺色(かばいろ)が鮮やかで綺麗な蛾です.
カバシタムクゲエダシャクのオス

ヒメシュモクバエの染色体

 研究室の特別研究員が,先日,ヒメシュモクバエの染色体に関する論文を出版しました(この論文).ヒメシュモクバエは,雌雄とも複眼が左右に突出していて,その奇妙な形態の進化が注目されています.上の写真はオスです.下の写真は交尾中の雌雄で,上にいるのがオス,下にいるのがメスです.オスもメスも目が飛び出していますね.

ヒメシュモクバエのオス
ヒメシュモクバエの交尾

オスとメス? 実はどちらもオス

 昨日のシモフリトゲエダシャクの写真はどちらもオスです.羽化して翅が伸びる途中のものでした.本当のメスは下の写真のように,腹部が太く,翅はあるようで,無いようで..

シモフリトゲエダシャクのメス2
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