FC2ブログ

オオシモフリエダシャク

 生物の教科書で有名な「工業暗化」は,イギリス産のオオシモフリエダシャクという蛾で調べられたものです.この蛾は日本にも生息していて,北海道,本州のやや寒冷な地域で見られます.研究室の大学院生が,長野県で灯火に集まったオオシモフリエダシャクの写真を撮ってきてくれました.写真の上がオス,下がメスです.雌雄で触覚の形が違います.また,メスの方がやや大型です.確かに白っぽい樹皮に対してカムフラージュの効果がありそうです.突然変異個体の暗化型を日本でもぜひ見つけたいものですが,その場でそうだと気づくことができるかどうか自信がありません.

オオシモフリエダシャクのオス
オオシモフリエダシャクのメス
スポンサーサイト



シャチホコガの擬態

 大学院生が,シャチホコガ類2種の擬態の写真を山梨県で撮ってきてくれました(わかりやすくするために止まらせたもの).上は,ニトベシャチホコです.倒木にえぐれたような穴が空いていますが,これがこの蛾の翅の模様です.実際にえぐれているわけではありません.下はオオエグリシャチホコです.木が倒れてささくれ立った木質にそっくりですが,これもこの蛾の翅の模様にすぎません.彼らは,点描(鱗粉)で立体感を出す森の絵描きです.

ニトベシャチホコ
オオエグリシャチホコ

ミノウスバの幼虫とキアシドクガの蛹

 前回のブログでミノウスバの発育段階を,前々回のブログでキアシドクガの発育段階を紹介しましたが,ミノウスバの終齢幼虫(写真上)とキアシドクガの蛹(写真下)の色彩がよく似ていると思いませんでしたか.分類上の科が違うにもかかわらず,どちらもやや長い卵形で,淡い黄緑色に黒の縞模様があります.天敵に対して無防備(目立つ)な点も似ています.しかも,しばしば同じ場所で同じ時期に出現します.ミノウスバの幼虫が有毒で目立つことはよく知られています.そこで,カナヘビというトカゲを天敵に見立てて,捕食実験を行いました.その結果,カナヘビはどちらを食べても吐き出してしまいました.幼虫と蛹という異なる発育段階であるにも関わらず,有毒な(あるいは味が悪い)ものどうしがよく似た色彩をもつので,これらはミュラー型擬態の可能性があります.その内容が論文として発表されましたが [Yazaki, H., Kishimura, M., Tsubuki, M., Hayashi, F. (2019) Müllerian mimicry between cohabiting final-instar larval Pryeria sinica Moore, 1877 (Lepidoptera: Zygaenidae) and pupal Ivela auripes (Butler, 1877) (Lepidoptera: Lymantriidae). The Pan-Pacific Entomologist, 95: 83-91] ,さらに実証的に取り扱う必要があり,研究は現在も継続し,かつ発展中です.

ミノウスバ幼虫
キアシドクガ蛹

ミノウスバの発育段階

 ミノウスバはマダラガ科の蛾です.幼虫は黄緑色に黒い縞模様があり,よく目立ちます.マサキやニシキギなどの葉を食べて成長し,蛹になる前に幼虫は蛹化場所を探すために昼間によく歩き回ります.5月中頃からそうした幼虫をよく見かけます.葉の隙間や林床の物陰などで幼虫は糸を紡いで薄茶色のまゆを作り,その中で蛹となります.ミノウスバはそのまま休眠(夏眠)をして秋になると独特の格好をした成虫となって,交尾,産卵を行います.

ミノウスバ幼虫側面
ミノウスバ幼虫背面
ミノウスバまゆ
ミノウスバ成虫オス

キアシドクガの発育段階

 キアシドクガはドクガ科の蛾です.幼虫には長い毛が生えていて,ミズキの葉などを食べて成長します.十分に成長した終齢幼虫は,木の幹や人工物の壁などで蛹化します.ところが,この蛹は,繭などを作らず,わずかな糸で木の幹や壁に付着しているだけです.外から丸見えです.しばらくすると成虫が羽化します.成虫は白くて昼間に樹冠をふわふわ飛翔します.

キアシドクガ幼虫
キアシドクガ蛹側面
キアシドクガ蛹背面
キアシドクガ成虫オス

東京都立大学 大学説明会

 今日(14日)は,東京都立大学 大学説明会の日です.現在の首都大学東京は,来年度(2020年度)から東京都立大学の名前に変更されます(以前の名前に戻る).それで今年度の受験者は合格して入学手続きを終えると,東京都立大学の1年生となります.あいにくの雨空ですが,多くの高校生と父兄が参加されています.同時にオープンラボ(研究室公開)も行われており,動物生態学研究室でもポスター展示を行なっています.次回の大学説明会は8月17日(土)です.この時にもオープンラボを行います.

オープンラボ2019年7月

長梅雨

 今朝,電車の中で思いついたことがあり,あれこれ考えていると乗り過ごしてしまいました.慌てて反対側の電車に乗ったら,何を思いついたのかすら忘れてしまいました.こうして「君の名は」状態の事項が増えていってしまいます.しかし,重要な事なら大事な局面で思い出すでしょう.それにしても長梅雨です.下の写真は学生が一昨日の夜に撮影したものです.これがどういう状態なのか説明できますか.
東京にて

集合するキバネツノトンボの孵化幼虫

 6日〜7日にかけて,雨の合間を縫って,長野県東部に野外調査に出かけました.通りがかった荒地にキバネツノトンボの卵塊があり,孵化したばかりの幼虫が団子状に集まっていました.みんなが外側に大顎を向けています.体が硬化して餌を食べるようになるまで,兄弟姉妹でこうして身を守っているのでしょう.下の方には間もなく孵化する卵と孵化済みの卵殻がありました.

キバネツノトンボの孵化幼虫の集合

北八ヶ岳で見た昆虫

 昨日(3日)は,曇天でしたが,それでも,ゴマフトビケラの成虫,チュウブクロセンブリの成虫,イタドリハムシの成虫(下の写真の順)などが見られました.いずれも少し薄日がさした時に地表から草の上に這い出してきたところを写したものです.

ゴマフトビケラの成虫
チュウブクロセンブリの成虫
イタドリハムシの成虫

北八ヶ岳へ

 九州では大雨が続いていますが,関東でも梅雨空がずっと続いています.今日(3日)はこれ以上遅れるわけにはいかないので,思い切って北八ヶ岳へ観察に出かけました.曇り空ですが,ほんの少しだけ日差しが感じられることもありました.

池
プロフィール

首都大動物生態

Author:首都大動物生態
研究室の日常の紹介
研究室HP
研究室HP in English

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR