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♡模様(4)

 直接,体や翅に♡模様があるわけではありませんが,トンボ類は交尾の時に♡模様を作ります.下の写真は北アメリカに生息するカワトンボ類の1種(Calopteryx maculata)の交尾中の雌雄です.上がオスで下がメスですが,両方の体をなぞっていくと,見事な♡型(下向きの♡型)であることに気づきますね.昆虫では,この他,カミキリムシ類の鞘翅に♡型の模様が見られますが,残念ながら写真がありませんでした.次は♧模様でも探してみましょうか.
Calopteryx maculata

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♡模様(3)

 前回と同様,クロウスタビガという蛾の翅の白い模様も♡型と言えるかもしれません.この種では前翅と後翅にそれぞれ1対(合計4個)あります.

クロウスタビガ

♡模様(2)

 オオシラホシアツバという蛾にも♡模様があります.翅全体が褐色ですが,前翅に白い斑紋があり,これが♡型に見えます.下の写真ではやや形がくずれていますが,個体によっては完璧な♡型をしています.

オオシラホシアツバ

♡模様(1)

 昆虫類の色や形の多様性は人智をはるかに超えています.そうした多様な色彩・斑紋・形態の進化を証明していく作業はとても興味深いものです.もちろん,細部の色,模様,形の全てに適応的意義があるわけではありませんが,逆に,全てがランダムな事象でもありません.♡型の模様それ自体におそらく意味があるとは思えませんが,ちょっと並べてみましょう.下の写真は,エサキモンキツノカメムシの母親が,自ら卵塊の上に覆いかぶさって保護し,そこからちょうど1齢幼虫が孵化した場面です.背中に♡模様がが付いてますね.

エサキモンキツノカメムシのメス

婚姻贈呈

 昆虫類では,交尾の時,オスからメスへ婚姻贈呈が行われることがあります.シリアゲムシ類(長翅目)でも婚姻贈呈を行う種が知られており,贈呈物はいろいろです.下の写真は今の時期によく見られるヤマトシリアゲという種の交尾の様子を大学院生が撮影したものです.草の間に張られた蜘蛛の巣に甲虫(ゾウムシ類?)の死骸が残っており,そこで待っていたオスのところに,メスが飛んで来てオスからの求愛行動が開始されます.メスがその餌を食べ始めると交尾が成立します.

ヤマトシリアゲの交尾

アケビコノハ

 天気予報よりも良い天気になる日が多く,野外調査に出かけるかどうかの判断に迷いが生じる今年の梅雨です.高標高地ではこの頃,アケビコノハを見る機会があります.秋に,熟して落ちた柿の実に来ているアケビコノハを見た人は多いと思いますが,この蛾の前翅は枯葉そっくりの模様をしていて,その存在に驚いて飛び立つまで気づきません.飛んだ瞬間に,その後翅の艶やかさに感嘆するばかりです.意外と大きな蛾で子供の手の平ほどの大きさです.

アケビコノハ全身
アケビコノハの前翅表

Acanthacorydalis asiatica の大顎

 オスの大顎が発達した昆虫としてよく知られているのはクワガタムシ類ですが,他にもいろいろな昆虫類でオスの大顎がメスより顕著に大きくなっています.例えば,コガネムシ類(いわゆるクワガタコガネ),センチコガネ類(オオキバセンチコガネ),ゴミムシダマシ類(オオツノコクヌストモドキ),ツチハンミョウ類(ヒラズゲンセイ),キリギリス類(南米産,オーストラリア産種),ハチ類(スズメバチ科オオキバドロバチ,ギングチバチ科ケラトリバチなど)などの例が知られています.アジアに生息するヘビトンボ類のうち,Acanthacorydalis 属でも,オスの大顎が大きく伸びています.その1種であるAcanthacorydalis asiatica について,オスの体の大きさに対する大顎,翅,交尾器などの相対成長式を比較した結果が共同研究論文として昨日出版されました(この論文),大きな体のオスほど相対的に大きな大顎をもつこと(下の写真は大きなオスと小さなオスを並べて撮影したもの),しかし交尾器の大きさはオスの体が大きくなってもほとんど大きくならないこと(小さいオスの交尾器と大きなオスの交尾器の大きさはそれほど変わらない)などがわかりました.そうした傾向は,こうした昆虫類のオスに共通して見られます.
Acanthacorydalis asiatica

オキナワツノトンボの卵塊

 東京は梅雨入りして雨天が続いています.予定していた野外調査も延期です.先日,オキナワツノトンボの卵塊の写真を見せてもらいました.植物の茎に昆虫としては大きめの卵が綺麗に並んでいます.こちらに分布するキバネツノトンボの卵塊ともよく似ています.今度は,ぜひオオツノトンボの卵塊を見たいと思っています.

オキナワツノトンボの卵塊

Zoological Science Award

 日本動物学会編集の英文国際誌「Zoological Science」は,毎年それに掲載された論文の中から数編を選び,Zoological Science Awardという賞を授与しています.2018年のその賞の一つとして動物生態学研究室の以下の論文が選ばれました.Okamiya, H. and Kusano, T. (2018) Evaluating movement patterns and microhabitat selection of the Japanese Common Toad (Bufo japonicus formosus) using fluorescent powder tracking. Zoological Science, 35: 153-161. この論文では,蛍光パウダーを用いてヒキガエルの詳細な行動追跡の結果を明らかにし,彼らの微生息場所選択の実態を報告しています(ここで紹介).下の写真は,繁殖期に抱接しているヒキガエルの雌雄(上がオス)の写真です.

抱接中のヒキガエル

キアシドクガ

 事務作業に追われて5月は慌ただしく過ぎ去って行きました.気がつけば6月です.5月下旬から今の時期にかけて,ミズキの木の周りを昼間から盛んに飛翔する白い蝶のような虫が目立ちます.これは,キアシドクガという蛾です.毒蛾という名前が付いていますが,さわっても平気です.全体が白い蛾ですが,不思議なことに前脚だけが黄色くなっています.それで黄脚毒蛾と呼ばれています.下の写真はいずれも翅の裏側で,上がオス,下がメスです.触角の形で簡単に雌雄が分かります.
キアシドクガ(オス裏面)
キアシドクガ(メス裏面)
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