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タイに生息するフィンレイソンリスの毛色多型(3)

 さらに引き続き,タイに生息するフィンレイソンリスの毛色の異なる亜種を写真で紹介します.そんなに広大な国ではないタイに,これだけ毛色の違うフィンレイソンリスがモザイク状に生息しているのはとても不思議です.ヒトやヒトに近縁な霊長類では,通常3種類の錐体細胞をもつ3色型色覚ですが,リスを含む齧歯類では,青錐体と赤錐体の2種類の錐体細胞をもつ2色型色覚です.実際にフィンレイソンリスがどのように色を区別しているのか,餌探索という学習を通した色覚調査が行われています(Tamura, N., Fujii, Y., Boonkeow, P., and Kanchanasaka, B. 2015. Colour vision and food selection of Callosciurus finlaysonii (Sciuridae) in tropical seasonal forests. Journal of Tropical Ecology, 31: 449-457).フィンレイソンリスは昼行性ですが,我々とは少し違う色の世界に暮らしているようです.(続く)

フィンレイソンリス3
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タイに生息するフィンレイソンリスの毛色多型(2)

 昨日に続き,タイに生息するフィンレイソンリスの毛色の異なる亜種を写真で紹介します.赤,黒,白,灰褐色などいろいろな毛色の亜種がタイ国内で見ることができます.これらの毛色は,幼獣と成獣,雌雄,年齢,季節によって違わないことが,いくつかの亜種について,標識・再捕獲を行うことによって確認されています(Kanchanasaka, B., Boonkeow, P., Hirankrilas, K., Prayoon, U., and Tamura, N. 2014. Color variation of Finlayson's squirrel among populations and individuals in central Thailand. Mammal Study, 39: 237-244.).(続く)

フィンレイソンリス2

タイに生息するフィンレイソンリスの毛色多型(1)

 フィンレイソンリス(Callosciurus finlaysonii)はタイおよびその周辺に生息する樹上性リスの1種です.このリスには,毛色に様々な変異があり,主にその毛色に基づいて多くの亜種が記載されています.タイの各地でこのリスを捕獲し,耳のごく一部からDNAを抽出して分子系統樹を作成しました(もちろんリスはその場ですぐに逃がしてやります).その共同研究の論文が出版されました(Boonkhaw, P., Prayoon, U., Kanchanasaka, B., Hayashi, F. and Tamura, N. 2017. Colour polymorphism and genetic relationships among twelve subspecies of Callosciurus finlaysonii in Thailand. Mammalian Biology 85: 6-13.)(この論文).(続く)

フィンレイソンリス(その1)

四国へ

 23日と24日は四国へ.強風を警戒して陸路で四国に入りました.本州と四国を結ぶ橋は徳島,香川,愛媛の3カ所にあります.これらは同時着工されたのですが,当時はいろいろ話題となりました.もし同時着工されていなかったら,今はどうなっていたでしょうか.
四国

ナガレタゴガエルの繁殖

 そろそろ早春という感じがします.カエルの仲間には早春に繁殖活動を行う種が少なくありません.どうしてそんなに早く産卵するのか考えてみて下さい.理由はいろいろ考えられますがそれを証明するのは大変そうですね.東京都およびその近隣に生息するナガレタゴガエルも現在繁殖中です.このカエル,渓流で産卵するので,想像しただけでも身震いしそうなほど,冷たい水の中でオスがメスを待っています.動物の身になっていろいろ考えるのは楽しいことです.もし正確に想像できれば,正解が見つかったのも同然です.
ナガレタゴガエル繁殖ペア

2016年度卒業研究発表会

 16日と17日は生命科学コースの卒業研究発表会でした.卒業研究発表会は毎年,学生(4年生)が自主的に行っています.会場の設営,司会,プログラム・要旨集の作成などその年によっていろいろ工夫が見られます.動物生態学研究室からも3名が口頭発表を行いました.1人当たり10分の発表と5分ほどの質疑応答でしたが,内容を練って何回も発表練習していました.

卒研発表2016年度

冬のコナラ林

 16日は野外調査の手伝いに行って来ました.東京と埼玉の境にある雑木林の中で,2つ折りの脚立を担いでの調査でした.陽当たりの良い畑の脇にはホトケノザやオオイヌノフグリなどが咲き始めていましたが,森の中はまだまだ冬,北斜面で風が吹くと手がかじかんでしまいます.

コナラ樹冠

ソウル市立大学へ

 首都大学東京 理工学研究科 生命科学専攻では,ソウル市立大学 生物学教室との国際交流事業を行っています.今年度も1週間にわたるソウルでの交流事業に参加した大学院生が12日に帰って来ました.動物生態学研究室からも1名これに参加し,ポスター発表を行いました.写真は上から順に,ソウルタワー,カササギ,韓国土産です.カササギは,日本では佐賀県の一部でしか見ることができませんが,韓国では普通に見ることができます.佐賀県のカササギについては,外来種なのか自然に飛来して棲みついたものなのかまだわかっていないようです.
ソウルタワー
カササギ
韓国土産

ワカケホンセイインコ

 卒業生が,都心にある新宿御苑で,ワカケホンセイインコを見たと知らせてくれました(下がその証拠写真).首都大学東京はもともと東京都立大学でしたが,この校舎は最初,世田谷区にありました.当時から校舎近辺では,ワカケホンセイインコがけっこう頻繁に見られました.インドやスリランカが原産のこの大きくて奇麗なインコは,もともとペットして飼われていたものが逃げ出して定着してしまった外来種です.今でも,個体群を維持しているのですね.
ワカケホンセイインコ

タヌキ

 首都大学東京 南大沢キャンパスにある緑地に,昨年12月中旬に学生実習でセンサーカメラを設置しました.そこにはタヌキが写っていました.昼間は気付きませんが,夜中にはその緑地をタヌキが動き回っているようです.

タヌキ

渇水

 今日は久しぶりに野外調査.新しい研究を思い立ってその材料を採るために三浦半島へ.しかし,ずっと雨が降っていないため,川の水が激減していました.谷が深く,良い渓流が奥まで続いている川なのですが,水量が少なくてほとんど流れていません.川底には褐色のふわふわした藻がいっぱい溜まっています.こんな状態では,流れの速い瀬でしか生きられない水生昆虫はいなくなってしまうでしょう.実際にこの川の水生昆虫相としては,瀬を好む大型のヒラタカゲロウ類,カワゲラ類,トビケラ類のほとんどが欠如しています.渇水期の川の様子を見ると,なるほど納得です.目的の研究材料も残念ながら採集することができませんでした.かつてはたくさんいたのに激減してしまったのかも知れません.
渇水時の川

宝石金時

  沖縄の海水魚の写真の中に,ホウセキキントキ という魚が写っていました.キントキダイの仲間ですが,宝石(ルビー)のように奇麗な色なのでこう呼ばれています.サンゴ礁でも比較的深い所に生息していているそうです.生物の体色や模様がどうしてこんなにも多様なのか,いろいろ考えるのは楽しいことですね.
ホウセキキントキ
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Author:都立大動物生態
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