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1980年3月号の昆虫と自然

 「昆虫と自然」と言えば,初めての論文が掲載されたのが,1980年3月号のこの雑誌でした.今と違い,原稿用紙に文章を綴り,図版も自分で手作りして郵送する時代でした.掲載されたちょうど2ページの論文を見て,出版されるとこんなにも奇麗に仕上がるのかと感動したことを覚えています.内容は,大隅諸島におけるヨモギハムシの青色型個体の初記録です.1979年の新年を屋久島で迎えようとテントなど一式を背負って年の瀬に出かけました.急行夜行列車,普通列車,船を乗り継いで屋久島に着いてみると,そこのヨモギハムシに銅金色と青色の個体が混ざっていることに気付きました.そこで,1月2〜7日は屋久島各地で,8〜9日は口永良部島で,11〜12日は種子島で観察し,その結果をまとめたものです.放浪癖は時として生態学では役に立ちますね.

昆虫と自然15巻3号
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交尾器の進化生態学

 「昆虫と自然」という月刊誌が古くから出版されており,来年(2017年)から52巻となります(つまり52年目).その1月号が数日前に出版されました.この号には特集として「交尾器の進化生物学」が組まれており,そこに,昆虫に見られる左右非対称なオスの交尾器の構造と機能という総説を書きました.これまでこのブログで紹介したミヤマカワトンボやオオカマキリの左右非対称なオスの交尾器についても取り上げています.この分野の研究はおもしろいことだらけです.
昆虫と自然52巻1号

富士山で特別講義

 学部3年生向けの生物学特別講義(動物生態学)として,24日に富士山へ野外観察に出かけました.午前中は快晴,富士山がとても奇麗に見えました.河口湖周辺の山には,アカマツとスギが多いのですが,このアカマツの実を,ニホンリスやムササビ(?)が食べていました.これは「海老フライ」と呼ばれる食痕です.鱗片を剥ぎながらその基部にあるマツの実を一個一個食べていくと最後はこんな格好になります.

富士急行より見る富士山
アカマツの食痕1
アカマツの食痕2

カンアオイ(寒葵)

 18日は,埼玉県へ調査の手伝いに行きました.この時期の落葉樹林で気を惹かれるものは,フユシャク類(成虫)とカンアオイ類です.山道を歩いていると,フユシャク類が昼間でも時折ちらちらと翔ぶのが見られます.夜になれば,おそらく多数が翔びまわっているのだと思います.カンアオイ類は冬にも葉をつけているのでよく目立ちます.ここではカンアオイという種(カントウカンアオイとも言う)が見つかりました.葉には個体変異があり,亀甲模様(写真上)とか,斑入り模様(写真下)がありました.秋遅くに咲いた花もまだ残っていました.

カンアオイ亀甲模様
カンアオイ斑入り模様

もちつき

 昨日16日は,年中行事の一つである生命科学専攻のもちつきでした.大学院生と教員の主催です.もち米を水につけておき,それを蒸して,うすに入れ,きねでこねた後,餅つきです.出来上がったばかりのもちは,ちぎって丸められ,きな粉,あんこ,雑煮,しるこなど好き好きに食べて行きます.昔ながらの方法で,薪を燃やしての作業です.

もちをこねる
もちをつく

八王子セミナーハウス

 10日から11日にかけて1泊2日で,生命科学コース1・2年生のセミナーが,首都大学東京南大沢キャンパスの近くにある八王子セミナーハウスで開催されました.このセミナーは2年生が中心となって企画される年中行事の一つで,今年は,生命科学コースの教員らが研究室紹介を行いました.八王子セミナーハウス本館の外観はいつ見てもユニークだと感じます.以前はこの中に食堂があったのですが,今は新しい食堂専用の建物が造られ,天気もよく,景色の良さは抜群でした.

八王子セミナーハウス本館

栃木の山へ冬の調査(2)

 栃木の調査地では,雪が溶けず,根雪になりつつあります.そこには人の足跡はまったくなく,獣の気配を感じるだけです.山の樹種構成が比較的単純で,冬にはすべて落葉してしまうため,動物たちにも厳しい環境だと思いますが,ニホンザル(写真上)やニホンジカ(写真下)の足跡を見ることができました.こちらは防寒着を身にまとっていますが,そうでない彼らは...と思わずにはいられませんでした.

ニホンザルの足跡
ニホンジカの足跡

栃木の山へ冬の調査(1)

 12月8日に,栃木の川の定期調査に行って来ました.栃木と言っても,調査地の先にある峠を越えると福島県の会津なので,ちょうど太平洋型気候と日本海型気候の境目です.5〜10 cmほどの積雪があり,すっかり冬景色でした.峠は標高1300 mほどなので,日本海側から雪が調査地まで吹き込んでくるという感じでした.気温は氷点下だと思うのですが,渓流の水温は4.5℃でした.(続く)
12月の渓流

中国からの来客

 12月5日に,中国でホタルやヘビトンボなどの研究を行っている曹(Cao)先生が動物生態学研究室に来てくれました.別の研究に関する打ち合わせのために京都に来られ,その機会にわざわざ東京にも立ち寄っていただきました.中国でのホタルやヘビトンボの研究の話で多いに盛り上がりました.夜にも,ワニ鍋を囲んで,焼酎を飲みながら,いろいろな情報交換をしました.ワニ鍋は日本のものではありませんが,鶏肉とよく似ていて,出汁もなかなかのものでした.

ワニ鍋

ベトナム産ルリモントンボ属の新種

 9月まで,秋入学の博士後期課程の学生として動物生態学研究室に在籍していたベトナムからの留学生が,博士(理学)取得後に帰国してからまだ3ヶ月も経たないのに,ベトナム産ルリモントンボ属の2新種という論文を出しました(Phan QT, Kompier T (2016) Description of two new species of Coeliccia from Vietnam (Odonata: Platycnemididae). Zootaxa 4196 (3): 407-414).その中に,Coeliccia hayashii という新種が記載されています.ベトナム産ですが,無理に和名を付けるとすると,ハヤシルリモントンボということになるでしょうか.下の写真がそうですが,ちょっと奇麗で可憐なトンボです.
Coeliccia hayashii
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Author:都立大動物生態
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