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ミノガのメスの翅の退化(2)

 動物生態学研究室の学生が4月下旬に西表島で撮影した写真の中に,交尾中のクロツヤミノガ(Bambalina sp.)が写っていました.蓑の中には翅の無い(脚もない)メスがいて,飛んで来たオスがそのメスと交尾をしている場面です.ミノガ類の分子系統樹を作成して,そこにメスの翅の有無をプロットした結果,ミノガ類はもともと雌雄ともに翅があったにもかかわらず,系統樹のかなり基部でメスの翅が痕跡的になり,さらに少なくとも2回独立してメスの無翅化が生じたと推測されました.また,一旦メスの翅が痕跡的になったグループから,再び翅が獲得されたとしか考えられない系統も存在しました(詳しくはこの論文を見て下さい).翅の再獲得は,他の昆虫類(ナナフシ類など)でも提唱されていますが,もっと直積的な証拠が必要かも知れません.これは先祖返りと呼ばれる現象とも関連します.園芸品種などでは,白花の系統に,再び赤花(野生種の色)をつける個体が出現することがあります.しくみとしては,DNAの同じ部位に元に戻るような変異が再び生じた場合,違う部位に生じた新たな変異が赤花の発現を引き起こす場合などが考えられます.後者だと同じ形質の再獲得であると言えますね.

クロツヤミノガの交尾ペア

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