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ミノガのメスの翅の退化(2)

 動物生態学研究室の学生が4月下旬に西表島で撮影した写真の中に,交尾中のクロツヤミノガ(Bambalina sp.)が写っていました.蓑の中には翅の無い(脚もない)メスがいて,飛んで来たオスがそのメスと交尾をしている場面です.ミノガ類の分子系統樹を作成して,そこにメスの翅の有無をプロットした結果,ミノガ類はもともと雌雄ともに翅があったにもかかわらず,系統樹のかなり基部でメスの翅が痕跡的になり,さらに少なくとも2回独立してメスの無翅化が生じたと推測されました.また,一旦メスの翅が痕跡的になったグループから,再び翅が獲得されたとしか考えられない系統も存在しました(詳しくはこの論文を見て下さい).翅の再獲得は,他の昆虫類(ナナフシ類など)でも提唱されていますが,もっと直積的な証拠が必要かも知れません.これは先祖返りと呼ばれる現象とも関連します.園芸品種などでは,白花の系統に,再び赤花(野生種の色)をつける個体が出現することがあります.しくみとしては,DNAの同じ部位に元に戻るような変異が再び生じた場合,違う部位に生じた新たな変異が赤花の発現を引き起こす場合などが考えられます.後者だと同じ形質の再獲得であると言えますね.

クロツヤミノガの交尾ペア

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ミノガのメスの翅の退化(1)

 24日の季節外れの大雪の日,首都大学東京 南大沢キャンパスの植木についているミノガの写真を学生が撮影していました(下の写真).これはチャミノガの幼虫が作った蓑です.寒さに震えてしまいそうな絵柄ですが,蓑は成虫が羽化した後も残るため,すでに中は空のはずです.折しも,共同で行ってきたミノムシ類の論文がonline firstで出版されました(この論文).ミノムシ類では,いずれもオスの成虫にはちゃんと翅があるのですが,メスの成虫には,翅のある種,翅が痕跡的になっている種,翅がまったくない種がいます.それらの分子系統樹を作成して,翅の退化パターンを明らかにした論文です.(続く)
チャミノガの蓑

54年ぶりの11月の積雪

 24日は天気予報通りに雪が降り,高尾付近ではかなりの積雪(5〜10 cm)となりました.東京で11月にこんなに雪が降ったのは54年ぶりとのことです.
積雪

ソウル市立大学の学生滞在

 首都大学東京 生命科学専攻では,ずいぶん前から韓国のソウル市立大学との交流事業を行っています.今年も昨日まで2名の学生(大学院生と学部生)が2日間ですが動物生態学研究室に滞在していました.キャンパス内の池で魚の調査を一緒に行ったり,動物園に出かけて日本の動物の説明をしたりして過ごしました.
交流会1
交流会2

バイオコンファレンス2016

 今日(11月18日)は,毎年恒例の生命科学専攻のバイオコンファレンスの日です.首都大学東京で生物学に関わる教員や学生が集まって,講演会やポスター発表を行い,情報交換をはかるとともに親睦を深めようと毎年11月に開催されています.
ポスター
バイオコンファレンス2016

トゲナナフシ

 11月中旬に照葉樹林で見つけたトゲナナフシのメス,日本ではオスはごく稀にしか見つかりません.成虫は夏に出現しますが,冬になっても生き残っていることがあるそうです.背中の棘が特徴です.ぜひオスを見てみたいと思っています.
トゲナナフシ

イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園(5)

 北アメリカの偶蹄目に属する大型のシカ科として,ヘラジカがいます.オスの角が平たくなって,へら状に見えるので,ヘラジカと呼びます.北アメリカでムースと呼ぶと,このヘラジカのことを指します.下の写真はグランドティトンで撮影されたオスとメス(子連れ)です.

ヘラジカのオス
ヘラジカのメスと子?

イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園(4)

 シカの仲間も偶蹄目に属します.写真はイエローストーン国立公園で見られたアメリカアカシカです.人慣れしていますが野生のものです.北アメリカでエルク(elk)と呼ばれるのは本種です.(続く)

アメリカアカシカの群れ
アメリカアカシカのオス
アメリカアカシカのメス

イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園(3)

 昨日のアメリカ大統領選の結果には驚きました.そんなアメリカですが,自然は広大です.他にも大型の哺乳類がいくつも生息しています.今日の写真は,偶蹄目のプロングホーン科に属するプロングホーン(エダツノレイヨウとも言う)です.イエローストーン国立公園で撮影されたものです.大人のオスには大きな角があります.(続く)

プロングホーンのオス
プロングホーン

イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園(2)

 イエローストーン国立公園にはいろいろな大型野生動物が生息してます.アメリカバイソンは偶蹄目ウシ科の大型哺乳類です.絶滅を免れ,イエローストーン国立公園では安定した個体群を維持しているようです.一方,これに近縁のヨーロッパバイソンでは,野生個体群は滅んでしまいました.幸いなことに飼育していた野生個体がいたため,これを自然にかえすことによってポーランドなどで野生復帰に成功しています.(続く)
バイソンの群れ
バイソン前面より
バイソン側面より

イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園(1)

 動物生態学研究室の卒業生が,この秋に,ワイオミング州に位置するイエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園を訪れ,哺乳類の写真を撮ってきてくれました.上の写真はグランドティトン国立公園に横たわるティトン山脈の風景,下の写真はイエローストーン国立公園で遠くから見たハイイログマ(英名ではグリズリー)です.ハイイログマは北海道にいるヒグマと同じ(両者は亜種の関係)で,注意が必要です.ここには性格がやや温厚なアメリカクロクマも生息しています.(続く)
グランドティトン国立公園
ハイイログマ(グリズリー)

オープンラボ in 大学祭

 今日(11月3日)から3日間,首都大学東京の大学祭(みやこ祭)です.あさって5日(土曜日)には,オープンラボ(研究室公開)が開催され,動物生態学研究室でも「いろいろな動物の行動と生態」という展示を行います.興味のある方は見に来て下さい.
大学祭(みやこ祭)

ブログ5年目に

 今日から11月,首都大学東京 動物生態学研究室のこのブログも5年目に突入です.大学のこと,研究室の様子,研究成果,調査旅行の記録,動植物の写真などを今後もどんどん紹介していきたいと考えています.今日紹介するのは石垣島で数日前に撮影されたばかりのナンヨウマンタです.大きなエイで,何匹も遊泳する様子は圧巻ですね.
ナンヨウマンタ腹側
ナンヨウマンタ横向き
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首都大動物生態

Author:首都大動物生態
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