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リーフエッジ

 10月もそろそろ終わり,東京では急に冷え込んで来ました.こんな時はと思っていたら,沖縄から海の魚の写真が届きました.沖縄には海岸にサンゴ礁が点々と発達しています.沖合で急に深くなる部分(リーフエッジ)の様子はとくに見事です.上の写真はクマノミ,下の写真はアカヒメジです.クマノミはイソギンチャクに寄り添って単独あるいはペアで暮らしていますが,アカヒメジは群れを作ります.写真で見ると黄色い魚ですが,体色を赤く変えることもあります.死後は赤くなってしまうため,赤い色のヒメジということでアカヒメジと呼ばれているのだそうです.

リーフエッジのクマノミ
リーフエッジのアカヒメジ
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クサギの実は羽子板の羽根

 昨日は,埼玉での野外調査の手伝いに行っていました.里山には,コナラやクヌギなどとともにクサギも見られます.クサギは夏には白い花を咲かせ,カラスアゲハやクロアゲハなど黒色系のアゲハが吸蜜に来るため,ずっと見ていても飽きません.クサギは秋になると実を付けるのですが,その実はまるで羽子板の羽根のようです.子供のときに初めてそれを見て,思わずたくさん採ってしまったことを覚えています.紫と赤という2色の実は鳥にもよく目立つのでしょうね.

クサギの実
クサギの実の拡大

ジャワシロチョウ

 インドネシアのジャワ島は,生物地理学的にはアジア側に入るのですが,ここにはオーストラリア側に生息する生物が分布していることも多々あります.ジャワシロチョウは本来オーストラリア側に生息するチョウですが,アジア側ではジャワ島まで見られます.下の写真はオスの表側,メスの表側,オスの裏側(メスの裏側も同様)を示しています.アジアにいるシロチョウの仲間としては特徴的な斑紋をもっているため,同じアジアでも,ジャワ島はスマトラ島,ボルネオ島とは雰囲気が違うと思いませんか.
ジャワシロチョウ(オス)
ジャワシロチョウ(メス)
ジャワシロチョウ(オス裏面)

セイタカアワダチソウ

 今日は茨城へ野外調査の手伝いに出かけました.人里近くでの哺乳類の調査なのですが,荒れ地には,セイタカアワダチソウという植物が目立ちました.セイタカアワダチソウは北米原産の外来種ですが,他感作用(アレロパシー)があり,他の植物が侵入できず純群落を作る傾向があります.黄色い花は今真っ盛りで,遠目にはきれいに見えるのですが,これが外来種であることは中学校や高校の教科書にも必ず出ていると思います.

セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウ群落

最近の論文

 online first で出版され,web 上でしか見ることしか出来なかった論文が立て続けに冊子体として出版され,論文にページが付されたので以下に挙げておきます.

(1) Hashimoto, K., Suzuki, K. and Hayashi, F. (2016) Unique set of copulatory organs in mantises: concealed female genital opening and extremely asymmetric male genitalia. Entomological Science 19: 383-390.
(紹介記事は,これこれこれ
(2) Hashimoto, K. and Hayashi, F. (2016) Cantharidin world on islands: Species diversity of canthariphilous arthropods in the Izu-Ogasawara Arc. Entomological Science 19: 432-439.
(紹介記事は,これ
(3) Ito, M., Seto, N., Rico, B. Shigeta, M., Tamura, N. and Hayashi, F. (2016) Folivory with leaf folding by giant flying squirrels: its patterns and possible function. Ecological Research 31: 617-626.
(紹介記事は,これこれこれこれ

ニホンザル

 動物生態学研究室の学生の実家では,昨日の早朝に,山からサルの群れが降りて来て,プランターや庭で育てていたトマト,ナス,ネギなどの野菜が全部食べられてしまったということです.サルたちには朝からバイキング三昧といったところでしょうが,人間にとっては困り者です.笑い話ですむぐらいがちょうど良いのですが.

人里のニホンザル

トウキョウサンショウウオ集団の遺伝的異質性と多様性(2)

 トウキョウサンショウウオ46集団の集団遺伝学的解析から,ミトコンドリアDNAと核DNAに基づく多様度の間には正の相関が認められました.多様度はいろいろな値で示されますが,例えばミトコンドリアDNAのハプロタイプ多様度(h)とマイクロサテライトDNAの対立遺伝子多様度(AR)の関係を見ると,ハプロタイプが一つしかない集団(h=0)では,対立遺伝子の多様度もかなり低くなっていました(AR=1〜1.5).集団の遺伝的多様性が失われると絶滅リスクが増大すると考えられますが,集団毎の遺伝的分化も認められるので,安易な人為的移入は避けるべきだと思われます.残念ながら,一部の個体群に人為的移入の可能性が認められました.
遺伝的多様性

トウキョウサンショウウオ集団の遺伝的異質性と多様性(1)

 トウキョウサンショウウオ46集団815個体について,ミトコンドリアDNAのcytochrome b (650-bp) および核DNAのマイクロサテライト5遺伝子座に基づく集団遺伝学的解析を行った論文が出版されました(Sugawara, H., Kusano, T. and Hayashi, F., 2016. Fine-scale genetic differentiation in a salamander Hynobius tokyoensis living in fragmented urban habitats in and around Tokyo, Japan. Zoological Science 33: 476-484).トウキョウサンショウウオは Hynobius 属の中で分子系統学的によくまとまった集団を形成し,福島南部から房総および三浦半島南部まで断続的に生息しますが,集団ごとの遺伝的差異は顕著でした.保全管理単位の決定を行う際には,こうした遺伝的差異を考慮する必要があります.下の写真は,山際の水たまりに生息するトウキョウサンショウウオの幼生です.

トウキョウサンショウウオ幼生

ニホンアマガエル

 先日,林道沿いで見かけたニホンアマガエル,冬眠のために餌をたくさん食べて,来年の繁殖期まで生き残ってほしいものです.アマガエルの体色は緑や褐色に変わります.褐色の時に目立つ背中の模様は個体差が大きいように思いますがどうでしょうか.

秋のニホンアマガエル

栃木の山にて

 天気予報(雨予報)がこの何日かはずれたので,急遽(2日〜3日),栃木の山奥へ調査に出かけました.渓流の水際の平らな石をそっと持ち上げると,その下には,きょとんとした顔つきのハコネサンショウウオの変態個体がいました.全長7cmくらいです.川の中での生活をやめて,これからは森の中で暮らし始めるわけです.夜中,森の中にいると,ピャッとよく響く声があちらこちらから聞こえました.ニホンジカの警戒音声です.昼間には気配さえないのに,意外に多いので驚きました.

ハコネサンショウウオ上陸間近

アオマツムシ

 9月になって鳴き始めたアオマツムシも,少し勢いが衰えてきたようです.アオマツムシのリーリーという大きな声を聞いて秋の気配を感じる人も多いのでしょうが,この虫は外来種です.かつて日本では樹上でこんなに大きな声で鳴く秋の虫はいませんでした.ところが,もう何十年も前から,街路樹や公園の植え込みにすっかり定着して日本に馴染んでしまいました.この虫は外来種であるということを忘れないようにしたいものです.
アオマツムシ

奇麗な昼蛾

 今日から10月です.9月は雨や曇りの日ばかりで野外調査を充分に行えなかった人も多いのではないかと思います.10月になってもぐずついた天気は続きそうです.気分晴らしに昼蛾の標本整理を少ししました.有毒成分を持っていたり,ベイツ式擬態の結果として,昼間にひらひらと飛翔するガ(蛾)がいます.蛾は普通は夜行性なので,昼間に飛翔する蛾を「昼蛾」と呼びます(ただし分類用語ではありません).下の写真は,ベトナム北部で見られる Cadphises mooreiCadphises maculata です(いずれもメス).蝶のように奇麗ですが,紛れもなく蛾です(触角の感じでわかりますね).理由は秘密ですが,これらによく似た昆虫がいないかいつも気にしています.
昼蛾1
昼蛾2
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