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日本進化学会第18回大会

 8月25日から28日にかけて大岡山にある東京工業大学で開催されていた日本進化学会第18回大会に,動物生態学研究室の大学院生が参加して,カエル類のEvoDevoに関するポスター発表を行ってきました.多くの参加者といろいろ議論して,有意義な発表になったと思います.

日本進化学会第18回大会
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中国で国際会議

 先週は,中国杭州で両生類と爬虫類の国際会議(The 8th World Congress of Herpetology)が開催されました.動物生態学研究室の大学院生2名もこれに参加し,それぞれカエルとヤモリ研究発表を行ってきました.両生類,爬虫類の研究者は,石や倒木をひっくり返すくせがついているものですが,見つかるものはいろいろです.写真のようにサソリモドキ類が見つかることもあります.もちろん観察後には元の場所に放してやります.

爬虫類学両生類学の国際会議
サソリモドキ類の1種

秋(9月)修了

 首都大学東京 理工学研究科 生命科学専攻では,大学院に秋(10月1日)に入学して,秋(9月30日)に修了する制度があります.今年,動物生態学研究室では,秋に博士前期課程(いわゆる修士課程)を修了する学生が1名,博士後期課程(いわゆる博士課程)を修了する学生が1名いましたが,2名ともそれぞれ両生類に関する修士論文とトンボ類に関する博士論文を期限までに無事完成させ提出することができました.

秋修了

桃栗三年柿八年

 モモやクリは植えてから3年ほどで実をつけ,柿は植えてから8年ほどで実がつくと言われています.オニグルミは植えてから何年目に実をつけるでしょうか.昨日はオニグルミの結実調査の手伝いをしました.圃場に植えて10年,結実している木もあれば,まだ結実していない木もあります.木だけに,何とも気の長い研究ですね.

オニグルミ林

カミキリモドキ類の配偶行動(3)

 カミキリモドキ類は有毒なカンタリジンを有しており,産みつけられた卵の中にもこのカンタリジンが含まれています.もし,オスが大きな精包をメスに渡し,メスがそれを交尾嚢内の硬い棘で破壊して吸収できるとすると,その中に含まれているカンタリジンをメスは手に入れることができるかも知れません(メスは成虫になるとカンタリジンを作らなくなると言われています).そうすると,メスはより多くのカンタリジンを卵の中に含ませることができると予想されます.これを確かめるためには,卵に含まれるカンタリジンの量を知る必要があります.しかし,化学分析で微量のカンタリジンを定量することは容易ではありません.そこで,カンタリジンに強く誘引されるホソアシチビイッカク(この虫)という小さな虫(ただしオスのみが誘因性を示す)を使ったバイオアッセイを新たに考案しました.一定量の卵を一定量のアセトン中で粉砕すると,カンタリジンが溶出します.このアセトン抽出液とただのアセトンにホソアシチビイッカクのオスが何匹集まるか比較するという方法です(下の写真:左右の円の部分に卵のアセトン抽出液を滴下し,上下の円の部分にただのアセトンを滴下).もちろん,既知の濃度のカンタリジンを溶かしたアセトンを使って,カンタリジンの濃度が高いほどホソアシチビイッカクのオスがより多く集まることを確認しました.その結果,トンボなど他の昆虫類の卵のアセトン抽出液にはまたく誘引されないこと,メスの交尾嚢に棘があるカミキリモドキの方が,棘がないものよりもより多く誘引されることが明らかとなりました.予想通り,交尾嚢に棘があるカミキリモドキでは,メスはオスからカンタリジンを手に入れてそれを卵にどんどんまわしている可能性があります.

カンタリジンのバイオアッセイ

カミキリモドキ類の配偶行動(2)

 カミキリモドキ類では,メスの内部生殖器の交尾嚢と呼ばれる袋に硬い棘をもつ種がいます.こうした種では,交尾の時に,オスが大きな精包(内部に精子を含んだ塊)をメスの交尾嚢の中に入れます.そこには硬い棘があるので,それを使ってメスは精包を破壊して吸収してしまいます.実際に解剖してみると,交尾直後には大きな精包が詰まっているのですが,精包は徐々に残渣のみになり,最後には見えなくなってしまいます(精子は受精嚢と呼ばれる別の袋の中に移されて貯えられます).一方,メスの交尾嚢内に棘のない種では,オスは精子を渡すのみです.つまり交尾嚢の中で精包を破壊して吸収するということが起こりません.棘のある種とない種のこの違いは何を意味するのでしょうか(下の写真はスジカミキリモドキ).

スジカミキリモドキ

カミキリモドキ類の配偶行動(1)

 カミキリモドキ類の配偶行動に関する論文が出版されました(この論文).カミキリモドキ類の配偶行動を調べるために,いろいろな種について,メスの内部生殖器の構造を比較した結果,交尾嚢に硬い棘をもつ種(例えば下の写真のモモブトカミキリモドキ)とそうした棘を全くもたない種がいることが明らかとなりました.分子系統樹上で棘の有無を比較すると,近縁種の間でも,棘がある種とない種がいて,棘の進化は多起源だと推定されました.メスの交尾嚢の内側にあるこの棘にはどのような機能があるのでしょうか?

モモブトカミキリモドキ

コナラとハイイロチョッキリ

 今朝道ばたにコナラの枝先がいくつか落ちていました.このコナラの枝先には一つドングリが実っています.もうこんなに大きいのですね.しかも,ドングリの帽子の部分には,ハイイロチョッキリが産卵をした痕がついています.枝先ごとドングリを落としたのはこの虫のメスなのです.暑い日が続きますが,季節は確実に秋に向かっているということを感じさせます.
コナラとハイイロチョッキリ

生態学野外実習2016年(4)

 野外実習の最終日には,トキの森公園を見学しました.ここには観察舎があり,ガラス越しに水の中のドジョウをトキが食べる様子を見ることができるように工夫されています.しかし,通常,トキは観察舎の一番奥にいて,その姿を見るのも容易ではありません.ところが,今回,トキが水場にやってきて目の前で餌を食べるのを見ることができました(何て幸運な).下の写真は3人の学生らの自信作です.こうして実習は無事に終わりました.

トキの森公園1
トキの森公園2
トキの森公園3

生態学野外実習2016年(3)

 今年の生態学野外実習では,定番のアサギマダラもたくさん見られました.例年より季節が早く,新鮮な個体(ほとんどがオス)ばかりです.山頂近くのヨツバヒヨドリに集まり始めたばかりといった感じでした.そこには,サカハチチョウの新鮮な個体も比較的多く見られました(いつもだと飛び古した個体が多いのですが).

アサギマダラ2016年
サカハチチョウ2016年

生態学野外実習2016年(2)

 今回の生態学野外実習は天気にも恵まれ,予定通りに実習をこなすことができました.佐渡島でも「ナラ枯れ」がひどく,大きなミズナラの木があちらこちらで立ち枯れています.「マツ枯れ」もそうですが,樹木の病気が生態系に及ぼす影響は思いのほか大きいかも知れません.

ナラ枯れ

生態学野外実習2016年(1)

 8月1日から6日まで,生命科学コースの学部生(主に3年生)を対象とした生態学野外実習を行いました.佐渡島に5泊して動物生態学と植物生態学の野外実習を行います.動物生態学に関しては,今年は,海岸の動物群集(下の写真はハマダンゴムシ),河川の底生動物群集,陸上動物と植物に関する自由研究というメニューでした.

ハマダンゴムシ
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