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10月入学9月修了の修士論文発表会

 生命科学専攻では大学院前期課程(修士課程2年間)と大学院後期課程(博士課程3年)とも,10月に入学して,所定の年数を経た後9月に修了することが可能です.今日は,その9月修了の修士論文発表会(公開)が行われました.動物生態学研究室の学生も1名無事発表を終え,この後,修士論文を完成させて提出すると修士(理学)の学位が授与されます.

9月修了修士論文発表会
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日本のカマキリ類の交尾行動(3)

 カマキリ類のメスの腹部末端は下の写真に示すように,産卵管(産卵弁)が”さや”(第7腹板)の中にすっぽりと挟み込まれた状態になっています.内部生殖器の開口部は産卵管と”さや”に隠されてしまっているので,オスは交尾の時に,まず,産卵管を”さや”からはずさなければなりません.はずすと,その奥に開口部があり,精子の入った精包と呼ばれる白い物質をそこに差し込んで交尾は修了です.そこで,オスの交尾器のキチン化した棘に微小蛍光ビーズを塗布してから交尾させ,交尾後に蛍光ビーズがメスの腹部末端のどこに付着しているのか調べたり,それぞれの棘(先端部)を切り取ってしまったオスをメスとかけ合わせて,交尾可能かどうかを調べたりしました.その結果,オスの交尾器の左向きの棘がないと産卵管を”さや”からはずせないことがわかりました.この棘を一定の方向から固定して,てこの原理を利用してはずすのではないかと考えられました.まったく交尾経験のないオスでも,最初から自身の腹部をメスの腹部の右側から下に曲げて(前々回の図のEのように)交尾をしました.つまり,交尾器の左右非対称性と腹部の曲げ方はセットとして生得的に決まっているようです.以上のことはonline firstとして先日出版されました(この論文).
オオカマキリのメスの腹部末端

日本のカマキリ類の交尾行動(2)

 前回の問題の正解は E です.オオカマキリ,チョウセンカマキリ,コカマキリ,ハラビロカマキリのオスの交尾器を背中側から観察すると,下の写真にあるように,著しく左右非対称な形をしています.キチン化した棘のある器官が左側に偏っていて,右側は比較的単純な構造になっています(写真はオオカマキリのオスの交尾器の背面図).しかし,メスの腹部末端は左右対称です.そのため,交尾の時にどの方向からメスと交尾をするのかは極めて重要です.これらのカマキリ類では,メスの背中に乗ると,オスは自分の腹部をメスの腹部の右側から下に巻き込んで,さらにサソリのように先端を曲げて交尾をします.A〜Dの方法では,交尾をすることができません.ところが,オーストラリアや中国では,下の写真と全く逆向きの交尾器をもったオスも知られています(鏡に映ったように完全に反対になるので両者を鏡像多型という).逆向きの交尾器をもつオスは,交尾の仕方も逆で,Aのように腹部を曲げます.今のところ日本で逆向きの交尾器をもつオスは見つかっていません(ぜひ見つけたいものですが).それにしても,この左右非対称な構造にはどのような機能があるのでしょうか.
オオカマキリのオスの交尾器(背面図)

日本のカマキリ類の交尾行動(1)

 まだほとんどが幼虫ですが,8月から10月には,日本ではオオカマキリ,チョウセンカマキリ,コカマキリ,ハラビロカマキリなどの成虫が身近で普通に見られます.カマキリ類では,時として交尾前後(稀に交尾中)にオスがメスに食べられてしまうことがよく知られています.しかし,交尾がどのように行われるか知っている人は少ないのではないでしょうか.そこで問題です.下の絵はカマキリ類の交尾の様子を模式的に表わしたものです(背面図.緑の個体がオス,白い個体がメス.いずれも3対の脚は省略).オスとメスの交尾の仕方として正しいものをA〜Eの中から一つ選んで下さい.
カマキリ類の交尾の仕方

中国広東省での調査(5)

 調査期間も終わり,遅めの昼食は海上レストランでということになり,7名で海鮮料理を食べました.海上レストランと言っても,少し沖合に浮かぶ大きな筏(いかだ)の上の小屋です.この辺りは広東料理なので,辛くはなく,どちらかというと少し甘味のある味付けです.メニューの多さは驚くばかりで,貝料理だけでも5品食べました.今回も多くの人にお世話になりました.謝謝.
貝料理1
貝料理2
貝料理3
貝料理4
貝料理5

中国広東省での調査(4)

 深圳は海岸に新しく作られた都市ですが,この辺りには大小の湾があり,昔から海鮮料理で有名な観光地がいくつかあります.生きた魚介類を売っている屋台が立ち並ぶ場所では,一軒の屋台でカニ(ガザミ類)だけでも5種類ほど売っていました.「食は広州にあり」と言われますが,なるほど,食べることに時間とエネルギーをかけている様子が伝わってきます.ちなみに広州市は深圳のすぐ側に位置します.

ガザミ1
ガザミ2
ガザミ3
ガザミ4
ガザミ5

中国広東省での調査(3)

 深圳から香港へ陸路で入る際には,一度中国からの出国手続きをして,香港への入国手続きしました(出国カードと入国カードを記入して出口と入口でパスポートと一緒に見せる).逆に香港から深圳へ帰る時にも同様の手続きをしました.天気が悪いと,不本意ながら(?)観光に費やす時間が長くなってしまいます.映画のシーンによく出て来る香港島の景色も,ランタオ島の大仏も見てきました.香港も深圳もよく都市化されていて,東京以上に活気を感じました.水源涵養林など,保護すべき所は厳重に守られています.ただし,比較的最近まで完伐されていたのか,若い二次林ばかりのようでした.

香港島を望む
ランタオ島の大仏

中国広東省での調査(2)

 11日から13日には香港で調査を行いました.下の写真はその時に撮影したナナフシ類です.亜熱帯とか熱帯のアジアにはこうしたナナフシと呼ばれる昆虫たちがたくさん見られます(もちろん日本にもいます).クワズイモの葉の裏に止まっているのは大きな無翅のナナフシの1種です.頭部を拡大してみると,確かに眼があり,前脚をまっすぐ前方に伸ばしています.ナナフシ類には翅のある種も多く,前翅は小さいのですが,後翅は大きくてカラフルです(後翅の前縁は褐色で硬化).後翅で翔ぶことができますが,驚いた時に威嚇するようにカラフルな後翅を見せつけることもあります.
クワズイモの葉裏のナナフシ
ナナフシ頭部の拡大
奇麗な翅を広げるナナフシ

中国広東省での調査(1)

 7月8日から16日にかけて,中国広東省の海岸部で野外調査を行いました.8日に北京で中国の研究者と合流して深圳に到着.9日から深圳の研究者と合わせて4名で調査開始です.この日は晴れましたが,その後はずっと天候が悪く,どんよりとした曇り空,少し陽が射すかと思えばにわか雨の中での野外調査となりました.高温多湿なので少しでも陽が射せばいろいろな昆虫などに出会えました(下は Euphaea decorata のオスとメス).

Euphaea decorata male
Euphaea decorata female

大学院生向けの野外実習

 今日は,大学院生向けの生態学の講義として野外実習を行いました.武蔵五日市駅に11時に集合,河川の淵,平瀬,早瀬にどのような水生昆虫群集が形成されているか実際に調べてみようという野外観察会です.夕方にはパンとアイスコーヒーで一息つき,現地解散としました.流れが速い所には水生昆虫がたくさんいて,しかも大きなヒゲナガカワトビケラなどが見つかりますが,淵には水生昆虫が少ないことが,採集地点ごとに並べてみると一目でわかります.
底生動物

吊るし型トラップ

 東京では,この土日は晴れ上がり,猛暑になりました.「天気の良い日は野外調査」というわけではありませんが,吊るし型トラップを森の中に仕掛け,現在進行中の研究の調査を行いました.暑くて,ヤブ蚊が多くて,これぞ「フィールドワーク」という感じでしたが,良いデータが取れました.これはなかなか威力を発揮しそうです.

吊るし型トラップ

オトヒメウミウシ

 7月になったとたん,東京も晴れ間が続くようになってきました.いち早く梅雨明けをした沖縄から海の生き物の写真が届きました.南の海の中はカラフルですが,なかでも目につくのがウミウシ類です.下の写真は,その中でも比較的大きくて絢爛豪華なオトヒメウミウシです.名前の付け方が良いですね.

オトヒメウミウシ
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