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その日ばかりの命?

 6月26日は晴れて気温が上がりました.とある池(人工だけれども古い池)には,ヤマアカガエルのよく育ったオタマジャクシがひしめき合うほどいます.池の上にはモリアオガエルの卵塊もあって,そこから孵化した小さい幼生がうまく育つのか心配になるほどの高密度です.そこには,しかし,もう1つの生き物がいました.ヒバカリという蛇です.ヒバカリは水の中に入り,オタマジャクシや小魚を捕食します.ここは,食べ放題のレストランのようです.この蛇に咬まれると,その日ばかりの命になってしまうということから「日ばかり」と呼ばれたそうですが,実際には無毒の小型の蛇です.

ヒバカリ
オタマジャクシの群れ

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ミヤマカワトンボの撮影に

 今日は朝から良い天気.予定通りミヤマカワトンボの多い川へ出かけました.テレビ番組制作会社から,ミヤマカワトンボの交尾の様子を撮影したいということで,手伝いに出かけたというわけです.撮影は順調に進みました.ミヤマカワトンボの他に,アサヒナカワトンボの飛び古した個体(写真)も多く見られました.
アサヒナカワトンボのオス

アリジゴクツリアブ(蟻地獄吊虻)

 昨日羽化した昆虫は,アリジゴクツリアブでした(写真上).成虫はよくホバリング(空中で静止飛翔)をするので,その様が糸で吊るしたおもちゃのように見えることから吊虻(ツリアブ)と呼ばれます.このアブは,蟻地獄(アリジゴク)と呼ばれるすり鉢状の巣穴を作るウスバカゲロウ類の幼虫に寄生します.このアブに寄生されたウスバカゲロウ類の幼虫は,繭を紡いで蛹になる準備をするまで生きています.しかし,繭を作ったとたん,このアブが宿主を殺して自分がその中で蛹となるのです.今回は,クロコウスバカゲロウの幼虫(写真下)から出てきたものです.化けて出るとはまさにこのことですね.

アリジゴクツリアブ
クロコウスバカゲロウ幼虫

蟻地獄吊虻

 今朝,飼育室の片隅で大切に飼育していた容器の中に,珍しい昆虫が羽化していました.漢字で書くと「蟻地獄吊虻」という双翅目の昆虫です.何と読むかわかりますか.
アリジゴクツリアブ背面
アリジゴクツリアブ横向き

べヨネース列岩

 小笠原からの船からは,昨日紹介した鳥島だけでなく,べヨネース列岩も見ることができたそうです.これは海上に突き出した岩のかたまりで,英名で,Bayonnaise Rocks と呼ばれています.伊豆諸島の青ヶ島よりさらに南に約65 km地点にあります.岩の高さは10 mに満たない小さいものです.鳥島と同じく東京都総務局八丈支庁が所管しているようです.

べヨネース列岩

べヨネース列岩

鳥島

 小笠原に調査に出かけていた学生が帰って来ました.東京から小笠原諸島の父島までは船旅ですが,途中,鳥島のすぐ近くを航海したため,写真を撮ってきてくれました.鳥島は,伊豆諸島と小笠原諸島の中間に位置する火山島で,アホウドリの繁殖地として,その保護活動が成功した島として有名です.東京都総務局八丈支庁が所管する島で,今は無人島です.
鳥島遠景
鳥島全体
鳥島近景
鳥島近景(海鳥が多い)

ムササビとクヌギの葉(4)

 ムササビがクヌギの葉の中央部を好んで食べる理由として,葉の中央部の方が甘い,葉の縁(ふち)は苦いという2つを考えてみました.甘さについてはブドウ糖濃度を測定しましたが,1枚の葉の中でその濃度に差はありませんでした.苦さについては総フェノール濃度を測定しました.その濃度は,葉の中央部より縁(ふち)の方が高くなっており,葉の縁には植物が生産したいろいろな防御物質が含まれている可能性が示唆されました.考えてみれば,クヌギの葉を昆虫(蛾の幼虫など)が食べるとき,葉の縁(ふち)から食べることが多いはずです(例えば下の写真).それを防ぐために防御物質をそこに集中して溜めておくことは理にかなっています.クヌギの葉の縁(ふち)には棘(とげ)がありますが,これも大型の蛾の幼虫などによる被食を防ぐ機能があるのかも知れません.また,葉の縁(ふち)の方が水分含量がやや低くなっています(少し硬いかも).ムササビが葉の縁(ふち)を避けるように食べるのは,こうした理由が関係していそうです.ここまでが今回出版された我々の論文の内容です(これ).

クヌギの虫食いの葉

ムササビとクヌギの葉(3)

 ムササビはクヌギの葉を3回折り畳んで食べることもあります.そうすると,扇状にかじると8の字状の穴が,直角にかじると長方形に近い穴があきます.本当にそうなるのか,葉っぱの形の紙切れを用意し,図のように3回折り畳み,角(かど)をハサミで切ってみて下さい.それにしても,どうしてこんなに器用な食べ方をするのでしょうか.葉の縁を残して,中央部だけを選んで食べているように見えますね.
ムササビの葉の3回折り1
ムササビの葉の3回折り2

ムササビとクヌギの葉(2)

 クヌギの葉を食べるとき,ムササビは1枚ずつ食べます.そのとき,前回紹介したように,葉を縦に1回,横に1回折り畳んで,その角(かど)を少し食べては捨てるという行動をとることがあります.クヌギの木の下に,穴があいた葉が落ちているのはその結果なのです.角(かど)を扇状にかじるときれいな円形の穴があきますが,かじり方によっては,穴の形が四角形になったり,四葉のクローバー状になったりします.まさか彼らがかじり痕の形を楽しんでいるということはないのでしょうが,探しているこちらはいろいろな形のものが見つかってとても楽しめます.
ムササビの食痕3タイプ

ムササビとクヌギの葉(1)

 東京都西部の山間部でムササビを観察をしていると,クヌギの葉をよく食べます.クヌギの木の下には,先端部がかじられた葉,基部がかじられた葉,中央部がくり抜かれて穴があいている葉が落ちています.そうした葉には,また,折り目がついていて,葉を上手に折り畳んで食べた様子が再現できます.たてに1回折って,さらに横に1回折ってから,その角をかじると,葉に丸い穴があきます.こうしたムササビによるクヌギの葉の食べ方に関する論文がonline firstで出版されました(この論文).野生動物が葉を規則正しく折り畳むというのはとても珍しい行動です.

ムササビによる2つ折り

栃木の山へ定期調査

 5日から6日にかけて,栃木の山へ定期調査に出かけて来ました.梅雨になりましたが,今年はこれまでの降水量が少なく,ダム湖の水もかなり減っていました.このダム湖の上の渓流では,水量は少なめですが,河床が安定していて水生動物にとっては良い状況でした.

ダム湖
上流の川

カンタリジン世界(島嶼編)

 カミキリモドキ類やツチハンミョウ類が分泌する有毒のカンタリジンという化学物質に誘引される節足動物がいます.カンタリジンを介して互いに関係をもつ節足動物群集を「カンタリジン世界」と呼んで,その世界の成り立ちについて研究をしています(ここ).今回,伊豆諸島から小笠原諸島の島において,どのようなカンタリジン世界が形成されているのかを明らかにした論文がonline firstで出版されました(この論文).本土では,複雑な世界が広がっているのに対し(上図),島嶼では予想通りカンタリジン世界は縮小し,遠く離れた小さい島ではたった一つの相互作用しかない世界になっていました(下図).カンタリジンの供給が不安定だと,相互作用も不安定になり,関係を存続させにくくなるのかも知れませんね.
カンタリジン世界の模式図

トウアカクマノミ

 沖縄から海の写真が届きました.ちょっと珍しい(他のクマノミ類とは生息場所が少し違う)トウアカクマノミです.この魚は,砂底の転石に付いたイソギンチャクに棲みつくことが多いのですが,意外な場所で見つけて驚いたということです.生き物の観察を始めると,初めて見る種がどんどん増えていきます.そのうちに目新しい種が追加できなくなっていくのですが,そこからが実際には新しい発見につながる現象に気付くことが多いのです.肥えた眼で,さらに細心の注意を払って生物を見るように,いつも心がけています.

トウアカクマノミ

ベトナム初記録のトンボ

 日本トンボ学会が発行する学術雑誌の最新号に,動物生態学研究室に在籍しているベトナムからの留学生が共著で論文を出しました.これまで中国からしか知られていなかったミナミヤンマ科の大型種である Chlorogomphus papilio がベトナムにも分布することを正式に報告したものです(TOMBO 58: 49-51, 2016).中国産に比べ,ベトナム産は翅の黒班部が小さくなる傾向があるそうです.下の写真は北ベトナム産のメスです.
北ベトナムのトンボ
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