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くねくね泳ぐ

 沖縄の海水魚の写真の中に,ヒレグロコショウダイと思われる幼魚がありました(下の写真).動物の体色は全く偶然にそうなっていることもあれば,繁殖行動に関わるシグナルとして機能していることもあります.また,擬態も動物の体色の進化に大きく関係しています.ヒレグロコショウダイの幼魚と成魚は体色や模様が本当に同種なのかと思うほど違っています.ヒレグロコショウダイの幼魚の体色は繁殖とは関係がないため(性的に未熟なので),これは分断色による擬態ではないかと考えられます.おまけにくねくねと泳ぐのですから,外形がわからないように見事に天敵の目をくらましているとしか思えませんね.
ヒレグロコショウダイ?の幼魚
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海の中の枯れ葉

 枯れ葉の舞う季節になってきました.今日,沖縄から海の中の枯れ葉と題した写真が送られてきました.上の写真はヘコアユ,下の写真はツマジロオコゼですが,本当に枯れ葉にそっくりです.海の中にも植物が見られます.コンブ,ワカメ,ホンダワラなどの褐藻類は緑がかった褐色ですが.緑色の藻類も枯れると褐色になります.樹木の落ち葉に擬態したチョウやガの翅には,くっきりと浮かび上がる葉脈模様が見られることが多いのですが,海の中では陸上とは少し違った枯れ葉模様ですね.

ヘコアユ
ツマジロオコゼ

中国のメタセコイアとセンブリ属の新種

 共同研究として,中国から見つかったセンブリ属(広翅目の昆虫)の新種の記載論文が Zootaxa 誌に掲載されました(ここ).これは,カリフォルニア科学アカデミーに保管されているグレシット博士採集の昆虫コレクションの中から見つかりました.1948年7月下旬から8月上旬にかけて彼によって中国湖北省で採集されたものです.1945年,現在の中国湖北省で,生きた化石としてよく知られているメタセコイアという樹木が発見されました.そこで,1948年夏に,同地に学術探検隊が派遣されました.その時にこのセンブリが採集されたというわけです.生きた化石であるメタセコイアが生育する山から得られたこのセンブリ属の新種も,形態的にとても古い形質を保持していました.そこで,Sialis primitivus と命名しました.今でも生き残っていてくれることを願うばかりです.ちなみに,1949年にメタセコイアは日本にも譲渡され,各地に植えられていきました.首都大学東京南大沢キャンパスにも8号館の中庭に2本のメタセコイアの巨木があります(下の写真).旧校舎(東横線都立大学駅のそばにあった)から南大沢に移転するときにわざわざ持って来たものです.

メタセコイア

明日から展示

 明日10月23日(金)から11月8日(日)まで,首都大学東京の南大沢キャンパスにある91年館において,「東京の海・山・島に:首都大学東京のフィールド研究と学外体験型プログラム」というテーマーの展示会が開催されます.その一角で,動物生態学研究室では「小笠原諸島のグリーンアノールはどこから来て何をしているのか?」という展示を行います.準備は整いました.時間のある人はぜひ見に来て下さい.無料でどなたでも入館できます(展示会場である91年館は少し分かりにくい所にあるので正門の案内所(守衛)で聞いて下さい).
展示

中国とベトナムのセンブリ類の新種

 中国南部とベトナムから見つかった広翅目センブリ科の2種の新種の記載論文(共著論文)が出版されました(New species of alderfly genus Sialis (Megaloptera: Sialidae) from China and Vietnam, with a key to species of Sialis from Asia. Entomological Science 18: 452-460 (2015)).中国南部の種については,メスの標本に基づいて琉球列島に分布するクメセンブリとこれまで同定されていましたが,新たに見つかったオスの標本から,それとは違う新種であること,さらにそれがベトナム北部にも分布することがわかりました.中国南部からさらにもう1種の新種が見つかりました.この論文では,また,アジア産センブリ科全種の検索がついています.下の写真は長野県産クロセンブリのメスです.

クロセンブリのメス

八重山諸島から(5)

 与那国島での写真の中に,サキシママダラというヘビが写っていました.このヘビはアカマダラという種の亜種とされています.アカマダラは,朝鮮半島から中国大陸(台湾も)を経てインドシナ半島北部まで分布しており,日本では対馬と尖閣諸島にいます.一方,サキシママダラは先島諸島(さきしましょとう)の固有亜種です.先島諸島とは宮古諸島と八重山諸島からなります.確かに八重山諸島のもっとも端にある与那国島にもこの亜種が生息しているのですね(証拠写真撮影後は逃がしてやります).

サキシママダラ

八重山諸島から(4)

 八重山諸島に調査に出かけていた学生の第二陣が帰ってきました.彼らは日本最西端の与那国島にも行って来たそうです.八重山諸島とは,石垣島,西表島,与那国島とその周りの波照間島,黒島など小さい島をさします.与那国島では,古くに導入された馬が,ずっと島内だけで維持されてきたため(他の地域の馬と隔離されて),ヨナグニウマと呼ばれています.
与那国島
ヨナグニウマ

八重山諸島から(3)

 石垣島にはオオヒキガエルがたくさんいます.このオオヒキガエルは外来種です.体が大きい外来のこのカエルは,毎日,昆虫やら節足動物やら,おそらく小型のカエルまでもせっせと食べます.このカエルの食べる量(餌となってしまう土着の生き物)はバカになりません.できれば外来種はいない方が良いのですが,一旦定着してしまうとそれを取り除くことは極めて困難です.

オオヒキガエル

八重山諸島から(2)

 石垣島・西表島は水系が発達していて,たくさんのカエル類が生息しています.夜の森で,アイフィンガーガエル(写真上)とオオハナサキガエル(写真下)などが見られたそうです.アイフィンガーガエルは樹洞に溜まった水でオタマジャクシが育つことで有名です.八重山諸島で従来ハナサキガエルと呼ばれていたものは,オオハナサキガエルとコガタハナサキガエルの2種に比較的最近になって区別されました.

アイフィンガーガエル
オオハナサキガエル

八重山諸島から(1)

 研究室の学生が,石垣島と西表島での野外調査から帰って来ました.短期間での予備調査でしたが,手応えはあったようです.彼らの写真からいくつか動物を紹介します.まずはリュウキュウキンバトとヤシガニです.夜の観察で見つけたということです.

リュウキュウキンバト
ヤシガニ

学芸員養成課程展示室

 首都大学東京のカリキュラムでは,学芸員の資格を取得することができます.そのため,大学には学芸員養成のための教育に使われる展示室があります.この展示室を有効利用するために,テーマーを決めて展示活動も行っています(一般に公開されています.入館無料).今年は,10月23日(金)から11月8日(日)にかけて,「東京の海・山・島に:首都大学東京のフィールド研究と学外体験型プログラム」というテーマーで展示を行います.その展示の一つとして,動物生態学研究室が「小笠原諸島のグリーンアノールはどこから来て何をしているのか?」を担当することになりました.小笠原の外来種であるグリーンアノールの生態と遺伝的解析結果を紹介する予定です.
企画展ポスター
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都立大動物生態

Author:都立大動物生態
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