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ヘビトンボの精包と栄養貢献

 日本に生息するヘビトンボ(ヘビトンボ亜科)という種は,交尾の際に,メスに大きな精包を渡します.ヘビトンボと同じくらいの大きさのタイリククロスジヘビトンボ(クロスジヘビトンボ亜科)という種では,精子の入った容器のみの精包をメスの尾部に付着させますが,それと比べると,ヘビトンボの黄色いゼリーのからみついた精包がいかに大きいかがよくわかります(下の写真).黄色いゼリーはオスが体内で自ら合成して貯えたものです.交尾のときにこんなに大きい精包を作ると,次の交尾に備えて,またせっせとゼリーを合成して貯えなければなりません.実際にオスが再交尾可能になるまでには2日もかかります(Animal Behaviour, 45: 343-349).一方,メスは,交尾回数が増えると生涯産卵数が増加します(Ecological Research, 13: 283-289).そこで,オスにローダミンB(タンパク質合成時に取り込まれる)という蛍光物質を飲ませ,そのオスと交尾したメスの卵巣内の卵にそれが検出されるかどうかを調べました.その結果,この蛍光物質は,確かに,オスが飲み,その体内で合成したゼリー状物質を交尾のときにメスに渡し,メスはそれを食べて消化吸収し,体内で卵を発達させるための栄養として使っていることが明らかとなりました.

ヘビトンボとタイリククロスジヘビトンボの精包
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