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小笠原諸島のグリーンアノール

 Zoological Science という学術雑誌の1月号に,動物生態学研究室で行われた小笠原諸島の外来種であるグリーンアノールの集団遺伝構造に関する論文が掲載されました(この論文:Microsatellite analysis of the population genetic structure of Anolis carolinensis introduced to the Ogasawara Islands. Zoological Science 32: 47-52).グリーンアノールは,小笠原諸島の父島,母島,兄島の3島に定着してしまいました.地表だけでなく,樹上でも餌を探して食べるため,小笠原諸島固有の昆虫類などが激減した大きな原因はこのトカゲの侵入だと考えられています.確かに,花のそばにこのトカゲがいたら,そこに集まる昆虫類はたちまち食べられてしまいますね.しかも,グリーンアノールはいたるところで普通に見られます.環境保全行政の一環として,現在,このトカゲを捕獲して駆除する事業が行われています.

花の上のグリーンアノール
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ウミエラ

 昨日の雪のため,今朝は道路が白く凍っていました.道行く人は,滑らないようにやや前かがみで歩いています.下の写真は,雪で白くなった植物が写っているようで幻想的ですが,実はこれは沖縄から届いた海中の写真です.写っているのは,ウミエラという動物です.サンゴやイソギンチャクと同じく刺胞動物門に属し,触手でプランクトンなどを捕って食べます.一瞬,雪景色かと錯覚しますね.実際には,背景が黒いのは黒い手袋を後に回して撮影したためで,このウミエラ自体はとても小さいものです.

ウミエラ

雪の中

 今日(30日)は早朝から雪で,ずっと降り続けています.動物生態学研究室の4名の学生の修士論文の口頭発表は,雪のための交通機関の影響などが心配でしたが,問題なく終わりました.発表のときの質問や副査の教員による添削を参考にして,最終稿を仕上げ,大学に間もなく提出の予定です.これで,「修士(理学)」という学位が3月の修了式の日に取得できる見込みがたちました.
雪

修士論文発表会

 今日と明日(29日と30日)は,生命科学専攻の修士論文発表会です.質疑応答も含めて一人25分の口頭発表を行います.全部で41人もいますから,2日とも朝から夜まで発表が続きます.明日(30日)は朝から,動物生態学研究室の学生の発表です.最後のつめに大慌てです.

修論発表会

カジカガエル

 動物生態学研究室の今年度の修士論文の一つは,カジカガエルを研究材料としています.カジカガエルは流れの穏やかな渓流で繁殖します.フィフィフィフィフィ....というカジカガエルのオスの鳴き声を聞いた人も多いのではないでしょうか.繁殖期は晩春から盛夏にかけて長い間続きます.夜行性ですが,まだ気温が低い晩春から初夏にかけては,昼間から鳴いているオスが見つかることもあります.とてもシックなカエルの1種です.

カジカガエル

原稿の山

 1月はどこの大学でもそうだと思いますが,大学院生の修士論文,博士論文の仕上げに,学生も教員も忙しい日々が続きます.動物生態学研究室でも,4名の修士論文と1名の博士論文を完成させようと,パソコンに向かって奮闘しています.学生は自分自身の研究をまとめれば良いのですが,教員は,全員の論文について,データのまとめ方から文章の書き方まで,それが良くなるように何回も学生と細かいやりとりをしなければなりません.原稿が出来上がると,それを2名の副査の教員に見てもらい審査を受けます.そこでさらに手直しが必要となります.一方で,多数の審査委員を含めた公開の場で論文の内容を口頭発表し,そこでも審査を受けなければなりません.こうした審査に合格して初めて,修士論文と博士論文は完成するのです.下の写真はいろいろなカミキリムシ類です.今年の修士論文の一つでは,カミキリムシ類を材料とした研究が行われました.体形はよく似ているのに,体の大きさが種によってずいぶん違うものですね.左上のは10円玉です.
カミキリムシ類

ハネウミヒドラ

 沖縄の海にはいろいろな生き物が暮らしています.下の写真は,ハネウミヒドラという動物です.触手にある刺胞毒が比較的強いため,素手で触れると少し痛いということです.ハネウミヒドラはどういう仲間の動物かというと,刺胞動物門 ヒドロ虫綱 花クラゲ目 ハネウミヒドラ科 の1種です.何ともややこしい感じで,これを読むのもいやになってしまう人がいるかも知れません.しかし,我々ヒトは,この言い方で所属を表わすと,脊索動物門 哺乳綱 霊長目 ヒト科 の1種です.脊椎動物門(せきついどうぶつもん)というのは今では使われなくなり,脊索動物門(せきさくどうぶつもん)の中の一つのグループである脊椎動物亜門(せきついどうぶつあもん)とされています.

ハネウミヒドラ
ハネウミヒドラ拡大写真

Cladistics最新号の表紙

 広翅目のセンブリ科(Sialidae)について,世界中の現生種と化石種を合わせた系統解析の論文がCladisticsという学術雑誌に出版されました(この論文).2014年2月付けでonline firstとしては閲覧可能であったのですが,それが1年後に印刷物として出版され,論文に発行年月(2015年2月)とページ(31巻1号18−49ページ)が付きました.しかも,この論文で扱われている研究材料の一つが表紙を飾りました.表紙の写真は,北海道に生息するセンブリという種で,その生態写真(幼虫,蛹,成虫のオスとメス)が使われています.Cladisticsという学術雑誌は有名な国際誌で,Impact Factorが 6.09 という高い値をもっています.そんな雑誌の表紙を飾れるとは,研究者としては光栄なことです.
学術雑誌の表紙

新年2日目

 年が明けて2日目,東京は,気温こそ低いものの,晴天です.昨日は新年早々クマノミの写真を載せました.クマノミという種は,実は色彩変異が著しいことで知られています.沖縄から届いた写真の中で,今日は黒いタイプのクマノミの写真を掲載します.こうした変異がどうやって生じ,どのような適応的意義があるのか,本当に不思議ですね.

黒いクマノミ

新年

 今朝は,新年らしくよく晴れていましたが,昼ころには雪が舞って来ました.今年は,どのような発見があるでしょうか.また,今までに見つけたことをどのように証明していくのか試行錯誤するのも楽しみです.

 謹賀新年(沖縄から届いた顔の黄色いクマノミ)
顔の黄色いクマノミ
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Author:都立大動物生態
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