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赤と白の水玉模様

 自然界には,きれいな水玉模様をまとった生き物が見られます.青や赤の水玉模様は,人の目にはとても目立って見えます.生き物のこうした水玉模様が,実はカムフラージュとして機能しているとはなかなか気づかないものです.沖縄から届いた海水エビは,見事に擬態しているように見えます.ミクロなスケールで見ると,赤や白の水玉模様は,海の中には随所にあるのですね.写真は上から順にイソバナエビ,アカホシカクレエビ,イソギンチャクモエビです.どこにいるかわかりますか.
イソバナエビ
アカホシカクレエビ
イソギンチャクモエビ
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世界のセンブリ類

 昆虫の多様性は高く,まだまだ研究されていないグループがあります.広翅目に属するセンブリ科の昆虫もその一つです(下の写真は日本産クロセンブリのオスの成虫.植物のセンブリ類とは違うので注意して下さい).幼虫が蛹を経て成虫となる完全変態昆虫類の中でもっとも古いグループの一つと考えられるセンブリ類は,現在,南アフリカ,マダガスカル,インド,オーストラリア,ユーラシア,北アメリカ,南アメリカに分布しています.いくつか化石種も知られています.今回,このグループについて,世界中の現生種と化石種を材料にして,外部形態に基づく系統分類学的研究を行い,その成果が,Cladistics誌にEarly view articleとして掲載されました(この論文).パンゲア大陸とかゴンドワナ大陸の頃から生き残って来たこのグループ,その歴史を考え始めると,頭がくらくらしてきますね.
クロセンブリ

卒業研究発表会

 2月18日と19日は,卒業研究発表会でした(下の写真).修士論文発表会もすでに終わっていて,今年度で修了あるいは卒業する学生たちは一安心といったところです.動物生態学研究室の今年度の卒業論文2つと修士論文2つの内容は,クモ,ザトウムシ,カマキリ,カエルと,例年と同じように多彩でした.来年度は,卒業論文2つ,修士論文4つ,博士論文1つが予定されていて,年度末はいつもにまして忙しくなりそうです.

卒研発表会2013年度

カンタリジン世界(4)

 昆虫ではありませんが,「カンタリジン世界」の住人として,アキヤマアカザトウムシ(下はそのメスの写真)がたくさん誘引されました.幼体はごく稀にしか集まらないのですが,成体のオスとメスが驚くほど誘引されました.このザトウムシには集合性があり,それにかかわる化学物質がカンタリジンと同じ効果をもつものと想像できます.こうして見ると,「カンタリジン世界」は,アカハネムシ類やアリモドキ類のように防御物質としてカンタリジンをオスが摂取してメスに渡す生き物,アキヤマアカザトウムシのように集合フェロモンとしてカンタリジン様物質を用いる生き物,それから,ヌカカ類などのように餌の探索にカンタリジン(カンタリジン様物質)を利用する生き物から成り立っていると考えられます.獣糞,植物(とくに花),キノコ類などにもカンタリジン様物質が含まれていることがあり,それらを餌とする生き物も「カンタリジン世界」の住人と言えます.人間には感知できない,自然界に隠されたネットワークを一つずつでも明らかにしていきたいものですね.
アキヤマアカザトウムシ

カンタリジン世界(3)

 アリモドキ類(甲虫目:アリモドキ科)も,昨日紹介したアカハネムシ類と同じように,もっぱらオスが,カンタリジンという本来は有毒な化学物質に集まってきます(下の写真はアカホソアリモドキのオス).つまり,アリモドキ類も「カンタリジン世界」の住人であり,オスが摂取したカンタリジンを,交尾のときにメスに渡している可能性があります.交尾の時に,オスが餌とか,栄養物とかをメスに渡すことが多くの昆虫で知られており,これを婚姻贈呈と言います.カンタリジンではありませんが,鳥などの天敵に対して有毒である化学物質がオスからメスへ渡されることが毒蛾などで知られており,これも婚姻贈呈と考えられます.カンタリジンもそれと同じようにオスからメスへの婚姻贈呈物と考えるとおもしろいですね.左右の鞘翅にある外分泌腺のような構造はそれに関係するのでしょうか.(つづく)
ホソアカアリモドキ

カンタリジン世界(2)

 本来は生き物にとって有毒な物質であるカンタリジンですが,それを介した相互作用系が自然界には存在します.それを我々は「カンタリジン世界」と呼ぶことにしました.その世界の住人として,まず,ヌカカ類を紹介しましたが(昨日のブログ),続いて,アカハネムシ類(アカハネムシ科の甲虫)を紹介しましょう.下の写真はムナビロアカハネムシのオスです.春に成虫が出現しますが,この頃に,カンタリジンによくオスが誘引されます.この仲間の昆虫では,オスがカンタリジンを摂食して体内に取り込み,メスと交尾をするときに,そのカンタリジンを渡すことがアメリカでの研究で示されています.さらに,メスは,オスからもらったカンタリジンを防御物質として卵に含ませるというのです.だから,カンタリジンに引き寄せられる個体はオスばかりです.(つづく)
ムナビロアカハネムシ

カンタリジン世界(1)

 ツチハンミョウ類とカミキリモドキ類は,カンタリジンという化学物質を体内で合成して,天敵から身を守ります.自然界では,唯一この2つのグループの生き物しかカンタリジンを生合成しません.カンタリジンは有毒物質で,これを食べてしまったり,これに触れたりすると危険です.ところが,不思議なことに,このカンタリジンに誘引される生き物が自然界には意外と多くいるのです.カンタリジンは昇華性で(ナフタリンのように,固体から液体を経ずに気体になる性質),その微量をプラスチック容器に入れておくだけで,いろいろな節足動物が集まってきます.そこで,我々は,カンタリジンという化学物質を介して相互作用する生物群集を「カンタリジン世界」と呼んで,その作用系をまとめました(この論文).
 カンタリジンに誘引される生き物の一つとして,ヌカカという双翅目の昆虫がいます(下の写真はヒラタヌカカ属 Atrichopogon insularis のメス).ヌカカ類はメスが吸血性で,昆虫など節足動物の体表や翅から体液を吸う種を多く含んでいます.カンタリジンに誘引されてくるヌカカ類の種では,もっぱらメスが集まるので,カンタリジンあるいはそれに類似の化学物質を手がかりにして,吸血すべき節足動物を探していると考えられます.(つづく)
ヒラタヌカカ属

雪でハクビシンもうろうろ

 昨日,大雪で,餌が探せなくて,小鳥たちが庭をうろうろする様子を紹介しました.小鳥たちだけでなく哺乳類も大変だったようで,白昼,ハクビシンが庭に来て,うろうろしていました.日頃雪がない所で暮らしているものにとって,大雪が降ると,人も動物も関係なく,生活リズムを狂わしてしまうものなのですね.
ハクビシン
ハクビシン顔

すごい大雪

 金曜日の昼頃から本格的に降り出した雪は,夜中にさらに勢いを増し,土曜日の朝には,すごい積雪になっていました.自宅の一階の居間の床の高さまで雪が積もり,鳥たちも餌が探せないようで,うろうろしています.雪かきも大変でした.
大雪

花魁楊枝

 沖縄から「花魁楊枝」の写真が届きました.「花魁楊枝」とはオイランヨウジという名前の海水魚のことです.花魁(おいらん)が羽織っていた艶やかな赤い模様のある楊枝(ようじ)のように細長い魚という意味です.ウオというのが省略されていますが,ヨウジウオ(楊枝魚)の仲間です.写真には2匹写っています.よく見ると,尾びれがうちわのように広がって,きれいな模様がついていますね.

オイランヨウジ

九州調査3日目

 2月10日(月):下島にある滝を見て,その側の支流で調査をしました.あまりにたくさんの石起こしをしたので,指紋がすっかりすり減ってしまいました.雨も降り始めたので,ここで調査を打ち切って,後は,ひたすら東京をめざしました.今回の調査では,初夏にきっと成果が出ると思います.それが今から楽しみです.
轟の滝

新幹線さくら

九州調査2日目

 2月9日(日):本当は島であるのに,九州本土のすぐ側に位置するため,そういう意識がなかった場所での水生昆虫調査が今回の最大の目的です.まず,九州本土から五橋を超えて上島へ.山がちな島で,水系はよく発達しています.午前中にこの島の川を調査.その後,瀬戸大橋(せどおおはし)を渡って下島へ.上島と下島は川のような海で隔てられているだけでした.日本海側の川と似て,ヨコエビ類が多く,大きなオスが小さくて黒っぽいメスを腹部にかかえているのが多く見られました.
五橋

下島
瀬戸大橋

九州調査1日目

 2月8日(土):夜の間に天候は急変して,朝起きると雪がしんしんと降っていました.東京は記録的な大雪になるとの予報です.しかし,予定通り空港へ.機体の除雪作業で1時間遅れの離陸となりましたが,雪を降らせる低気圧を超えて西へ移動したので,九州では天気は回復して快晴でした.さっそく山間の河川調査を行いました.起伏の多い林道を8km余り,久しぶりの山歩きを楽しみました.

羽田

鹿児島

積雪

 今日は,天気予報どおり,午後から雪が舞い,夕方にはそれなりの積雪になりました.火曜日なので,夕方の動物生態学研究室のゼミでは,窓から雪景色(下の写真)を眺めながら,白熱した議論をしました.積雪も気分転換には良いものです(天気によって気分にむらがでるというのは困りものではあるのですが).
雪

ソウル市立大学へ

 首都大学東京の生命科学専攻では,毎年,ソウル市立大学の生物系大学院と国際交流を行っています.昨年秋には,動物生態学研究室に1名の韓国人大学院生が滞在したことは以前のブログで紹介しました(ここ).その代わりに,この1月には,動物生態学研究室の大学院生が1名,ソウルへ出かけ,1週間ほど滞在してきました.セミナーなどのいろいろな場面で,英会話の勉強になり,食事はプルコギなど韓国料理を堪能し,夜はソウル市内で楽しく遊び,とても充実した1週間だったということです.交通費や宿泊費は,もちろん,大学院生の国際交流のために首都大学東京から全額支給されています.

セミナー韓国

プルコギ

夜のソウル
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