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今年は国際交流がさかん

 今,ソウル市立大学の生物系の大学院生が5名,生命科学専攻に来ています.首都大学東京とソウル市立大学では,生物を学ぶ大学院生の交流を毎年行っています.1週間の滞在ですが,動物生態学研究室でも1名の学生と2日間一緒に過ごしました.学生たちは,英語で自然のこと,研究のこと,文化のことなどを話しています.1日目は多摩動物公園へ出かけ,2日目は台風が接近していたこともあり,ジブリ映画の英語吹き替え版を見ました.今年は,アリゾナ大学の学生2名が3ヶ月滞在し,今はベトナムからの留学生がいて,学生たちの英会話が上手になりそうな気配です.

ソウル市立大学動物園
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アジアの秘境

 世界各地の博物館や研究所には,日の目を見ることなく埋もれている貴重な昆虫の標本が所蔵されていることがよくあります.そうした場所をこまめに訪問すると,通常では調査に入れないような秘境の貴重な昆虫標本を見つけることができます.中国,ミャンマー,インドが接する付近は,そうした秘境の一つですが,今回,この地域に生息するヘビトンボ類の一種群の分類学的整理を行った共同研究が論文として出版されました(この論文).2種を新たに記載し(下の写真はそのうちの1種),この種群の特徴を明らかにしてあります.
ヘビトンボ新種アッサム

南大東島へ(3)

 南大東島は,沖縄本島のはるか沖合にある小さい島です.外洋の小島であるため,生物相は単純です.研究室の学生がこの島を訪れて見ることのできた比較的大型の生き物として,2種のカマキリをあげていました.一つはチョウセンカマキリと思われ(上の写真),もう一つはハラビロカマキリと思われます(下の写真).両種とも関東のものより大型に感じられますが,カマキリ類は意外と広域分布することになっています.その理由は,カマキリ類の種の分類が難しく,細分されていないこと,太平洋上の南大東島などにもいて,人為分布の可能性があることなどがあげられるのではないでしょうか.カマキリ類の飛翔能力はけっして高くありません.人工物にも卵鞘が見つかり,また卵鞘はとても頑丈なため,資材などと一緒に紛れ込んでそれが遠くへ運ばれてしまうのかも知れません.
チョウセンカマキリ
ハラビロカマキリ

南大東島へ(2)

 南大東島へ行ってきた研究室の学生の話によると,夜中に島内を歩き回ったにもかかわらず,残念ながらオオコウモリを見ることはできなかったということです.しかし,夜中に歩くと,ホオグロヤモリとオガサワラヤモリの姿を見ることはでき,オガサワラヤモリには体の模様が異なる個体が写真におさめられていました(例えば下の2つの写真.どちらも南大東島産オガサワラヤモリ).人里にも生息するこれらのヤモリ類は,太平洋上の島々に広く分布しています.人が故意に持ち込まずとも,船や資材の移動にともなって侵入する可能性があります.一方,流木などの漂流によって,自然に分布が広がった可能性もあります.一概に人為分布とは言えませんね.
オガサワラヤモリ1
オガサワラヤモリ2

南大東島へ(1)

 研究室の学生が南大東島へ行ってきました.台風の合間をぬって,何とか予定通り帰ってきました.この島は,船が桟橋に横付けできないため,クレーンでつるした鉄かごを使って人を上陸させるということです.島には外来のオオヒキガエルとミヤコヒキガエルがいます.島の中央部は人家や畑(主にサトウキビ畑)ばかりですが,池がいくつもあって,そこで繁殖しているようです.
南大東島へ

南大東島カエル

銀杏と狸(ギンナンとタヌキ)

 収穫の秋ですが,最近ではあまり拾われない実の一つに銀杏があげられます.里山にある銀杏の木,今,黄色い実をたわわに実らせ,地面にもたくさん落ちています.銀杏はもちろんイチョウのことですが,これは外来種です.本来,日本にはこの実はなかったのですが.今では,タヌキがこれを食べるようです.銀杏の実に手で直接ふれるとかぶれます.銀杏の実を拾って,外側の黄色い果肉を洗い流して,中の堅い部分(これが食用の部分)を取り出すときには,かぶれないようにゴム手袋を使います.ところが,タヌキはこれを丸ごと食べてしまいます.同じ哺乳類,その後どうなるのか心配です.どうなるか,まだ知らないのですが,少なくともタヌキのため糞場には,たくさんのイチョウの実生(みしょう,種子から芽生えた1年目の植物)が見られます.ひょっとして,銀杏を食べたタヌキはお腹をこわして,いつものトイレで未消化の種子を出してしまうのかも知れません.そこは肥料だらけ,銀杏の実生にとっては楽園でしょうか.
銀杏

イチョウため糞

白駒の池

 5日ほど前に撮影したという,北八ヶ岳にある白駒の池の写真を見せてもらいました.白駒の池は標高2100mという高所にある池です.紅葉がちょうど見ごろですね.昨年あたりから「もののけの森」と名付けて観光に力をいれているようです.この呼び方は「もののけ姫」に由来しそうです.池の周りは大きな岩がごろごろと積み重なって,苔むしています.そのイメージがそのアニメ映画に出てくる森のシーンと似ているのでしょう.林床には落葉落枝(らくようらくし)が積もって,一見平坦そうです.しかし,実際に歩くと,落葉を踏み抜いて岩の隙間に足を取られてしまいます.こうした岩の隙間は,けものたちの恰好の棲み家となっています.彼らはこの森でひっそりと暮らしています.我々も静かに散策しなくてはいけませんね.
白駒の池

白駒の池看板

秋の富士山

 下の写真は,1週間ほど前の富士山の様子です.紅葉が始まっていますね.富士山は日本で一番高い山ですが,火山活動が続いていること,単独峰であることなどから,標高の割には,高山に特有の動植物が見られません.ハイマツは自生せず,高山植物が咲き誇るということもありません.ライチョウもいませんし,ミヤマモンキチョウ,タカネヒカゲ,ベニヒカゲ,クモマツマキチョウなど,いわゆる高山蝶も棲んでいません.つまり移動分散力の小さい高山に適応した動植物は,富士山にまで分布を広げてられていないということです.地史というのも生物の分布に大きな影響を与えています.自然を尊重するなら,人為分布は避けたいものですね.
富士山

公園の蝶

 季節外れの暑さで驚いている人も多いと思いますが,今は間違いなく,秋たけなわです.近所の公園へでかけてみると,アメリカセンダングサ,セイタカアワダチソウなどの外来種と,コスモスなどの園芸種が花を競い合ってつけています.そこには,ヒメアカタテハ(下の写真),イチモンジセセリ,ツマグロヒョウモンといった蝶たちが集まって,花でさかんに吸蜜しています.植物の方には自然をあまり感じられませんが,集まっている蝶たちは自然にそこに分布しているものたちです.これらの蝶は秋になると個体数が増えてよく目につくようになります.もちろん,飛翔能力が高いために,広域に分布する普通の蝶たちなのですが.
ヒメアカタテハ

タマゴタケ

 秋はキノコの季節です.この時期に森の中を歩いていると,いろいろなキノコに出会います.タマゴタケと思われるキノコが林床一面に生えているのを教えてもらいました.最初は白い塊なのですが,それが裂けて中から赤い本体が現れ,しばらくすると見事にキノコの笠が開きます.ひょっとして今年はキノコ類が多いかも知れません.

タマゴタケ1

タマゴタケ2

後期授業開始

 10月1日から後期授業が始まりました.火曜日なので動物生態学研究室のゼミがありました.今日のテーマは,「エボ・デボ」と呼ばれる分野での生態学にかかわる論文のまとめ(総説的な紹介)でした.その後,西表島に行ってきた卒業生が買ってきた沖縄の泡盛などを飲みながら,久しぶりにいろいろな話で盛り上がりました.
泡盛
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