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長期休眠のコスト

 エゴヒゲナガゾウムシでは,終齢幼虫が長期休眠を行い,1冬後,2冬後,3冬後,..と目覚めて成虫となるまでの期間が個体によって異なることを紹介しました.長期休眠は,様々な昆虫類で知られています.春の女神と呼ばれるギフチョウやヒメギフチョウ(下の写真)では,春に産み落とされた卵が孵化し,幼虫はすぐに成長して蛹になってしまいます.ところが,この蛹が休眠をして,そのまま夏,秋,冬を過ごし,翌春になって成虫が羽化するのです.昆虫たちのこの長い休眠,いくら代謝を低く抑えているとはいえ,あまりに長いと休眠の間のエネルギー消費が無視できなくなるのではないでしょうか.エゴヒゲナガゾウムシで,この休眠中の代謝コストをうまく調べることができました(前回と同じくこの論文).実は,休眠中のエゴヒゲナガゾウムシは,各冬に低温にさらされないと休眠を解除できません.そこで2年目に羽化した個体と,本来2年目に羽化するはずであったのに冬に低温処理をしなかったので休眠幼虫期間が1年伸びて3年目に羽化した個体の成虫の形態を比較したのです.すると,余計に1年過ごした成虫は体が少し小さくなってしまいました.1年分の余計なエネルギーロスがそうさせたのです.代謝を最小限に抑えたからといって,むやみに長く休眠するわけにもいかないのですね.
ヒメギフチョウ
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