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ハイイロチョッキリ

 今朝,大学のキャンパスを歩いていると,コナラの小枝(数枚の葉がついた枝先)が落ちていました.これは,ハイイロチョッキリという甲虫の仕業です.昨日は気づかなかったのに,今日になって突然,たくさん目についたので驚きました.毎年恒例のできごとなのですが,いつも不思議に思います.この甲虫のメスは,コナラなどのどんぐり(まだ青いうち)に孔をあけて産卵します.産卵後,その枝を自ら切って地表に落とすのです.落ちている枝先にはどんぐりが一つか二つ付いていて,そのどんぐりの笠の部分には確かに孔が開いています.この孔の奥には卵があり,次の世代(来年の今頃)へ続いて行くのです.いったいいつの頃から繰り返されているのやら.
ハイイロチョッキリ
ハイイロチョッキリ産卵
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市民講座

 昨日は,「いなぎICカレッジ」で,「東洋のガラパゴス!世界遺産小笠原の自然」と題して開講されている稲城市の市民講座で話をしてきました.全部で6回(4月から9月まで毎月1回開講)からなり,その5回目(地理的分布から探る小笠原の動物)と6回目(DNAから探る小笠原の動物)を担当することになっています.生物のDNAの塩基配列を比較することによって,小笠原の動物の島嶼間変異や系統関係がどのように明らかになってきたかを紹介したいと考えて,スライドを準備しました.受講生の平均年齢は68歳ということでした.はたしてその旺盛な好奇心に応えられたかどうか?

アカガシラカラスバト(カラスバトの小笠原諸島亜種)
カラスバと

ムササビとオオコウモリ

 3ヶ月近く研究室に滞在したアリゾナ大学の学生2名は,ムササビの採餌行動の調査をこなすだけでなく,精力的に日本の観光と学生たちとの交流を行って,昨日無事成田空港から帰国しました.体調を崩すことなく猛暑の東京で暮らし,中身の濃い毎日を送ったと思います.またどこかで会えるのを楽しみにしています.
 昨日は,別の件で,沖縄本島の人里近くの森で暮らすオオコウモリの写真が送られてきました.ムササビとオオコウモリは,何かちょっと似ている気がしてきました.夜行性で,木の実などをかじり,木から木へ飛んで,....(こうした野生哺乳類が身近に暮らしていることに感謝).

沖縄オオコウモリ

第2回オープンラボ

 今日は,首都大学東京の受験希望者のための大学説明会です.午前と午後の全般的な説明を聞いた後,各研究室の展示などを自由に見て回ることができます.動物生態学研究室でも「動物の生態と行動」という展示を研究室近くの踊り場(ろうか)で行っています.今回は,両生類と昆虫類の展示が中心です.

オープンラボ2回目

研究留学生の成果

 8月15日に,生態特別セミナーを開催しました.6月から約3ヶ月間にわたって動物生態学研究室に滞在していたアリゾナ大学の学生2名の研究成果と,それに関連する首都大学東京の学生の研究内容をあわせて発表してもらいました.英語での口頭発表と質疑応答は,日本の学生にとって本当に良い勉強の機会になると思います.英語では,ヒアリングが最も難しく,相手が何を言っているのかがわかれば,何とかなるものですが,急に質問されたり,急に話題が変わったときに,相手の話の内容がまったくわからなくなってしまうことがよくあります.ここで慌てないことが肝心です.
セミナーポスター

セミナー風景

サンゴ礁

 今年の夏は本当に暑くて,フル回転で暮らしてるとばててしまいそうです.リフレッシュにと沖縄の渡嘉敷島周辺で撮影したという海中写真が届きました.海中とは思えないほどの鮮明な写真で,水の透明度の高さがよくわかります.シュノーケルを付けて海面に浮かんでいるだけでも楽しいでしょうでしょうね.
渡嘉敷島1

渡嘉敷島2

生態学野外実習6日目

 昨夜の打ち上げパーティの後を引くこともなく,最終日(6日目)の今朝は全員で宿舎の後片付けをして,車でトキの森公園に向かいました.佐渡島ではトキの野生復帰事業を行っています.最後に観光をかねて,その事業の様子を知るために毎年ここに立ち寄っています.今年は,「サドッキー」という着ぐるみのマスコットがいて,子供だけでなく,実習に参加した学生・院生(TA)にも大人気でした.その後,両津港でおみやげを買って,フェリーで新潟に行き,新幹線で東京駅に.ここで解散.トラブルなく実習を終えることができて一安心です.車の運転,毎日の食事,心地よい宿舎,実習に必要な備品の貸し出しなど多くの方にお世話になりました.この実習の費用は,食事,飲み物,交通費,宿泊費など実習期間中に必要なものすべて込みでちょうど3万円となっています.学生にとって安いと感じられる旅行になったことを願っています.
トキ舎

サドッキー

生態学野外実習5日目

 5日目の朝は風が強く,大佐渡の山の尾根に到着した時には霧がかかっていました.まずは,この尾根筋に残る杉の天然林(自然更新林)の観察を行います.霧の中にそそり立つ杉の木々は,炎天下でみるときより,さらに神々しさを漂わせています.中でも,「大王杉」と名付けられた巨木の樹影は,はるか南の屋久島にある「縄文杉」にも似た雰囲気がありました.実際には,今日のように尾根筋には雲がかかっていることが多く,水分の多い環境で育まれてきた森なのです.昼近くには霧もはれ,ヨツバヒヨドリの花の蜜量とアサギマダラの吸蜜行動の関係を調べることができました.夕方,宿舎の前の海岸で海浜植物の地下部の観察を行い,これで今回の実習のすべての項目が終了しました.
杉天然林

大王杉

生態学野外実習4日目

 この実習では,前半の3日間が主に動物生態の実習,後半の3日間が主に植物生態の実習にあてられています.4日目の今日は標高900 mほどの大佐渡の山の尾根筋近くまで車で移動し,そこで,植物の分布パターンから種間関係を推定する実習を行いました.ここには,ヨツバヒヨドリの花がたくさん咲いていて,アサギマダラが乱舞しています.このヨツバヒヨドリとアサギマダラの関係を調べるために,簡単な操作実験を行っておくことも今日の実習の作業に含まれています.蝶以外にもいろいろな昆虫が集まっていて,良い目の保養になります.オバボタル,ハチ擬態のアブなどの写真を撮りました.もちろん,サドコブヤハズカミキリやサドマイマイカブリなどの佐渡固有の昆虫たちにも会えました.
アサギマダラ
オバボタル
アブ

生態学野外実習3日目

 3日目は,標高600 mを超える場所まで車で運んでもらい,標高200 mの場所まで林道をカタツムリのようにのろのろ歩きながら,動植物の観察を行いました.各自がそれぞれ好きなテーマを決めて歩き,その観察結果を宿舎に帰ってから整理して,発表するという実習です.夕食前に5名の学生が,夕食後に残り5名の学生が発表しました.一人あたり8分ほどで口頭発表してもらい,その後3分ほど質疑応答を行います.みんなで発表して議論することによって,山歩きの楽しみが10倍に増えた感じです.

観察

生態学野外実習2日目

 2日目,やや早起きをして,昨日海岸に仕掛けたピットホールトラップを回収しました.昨日の夕方には生きものの気配すら感じていなかった学生たち,目の前に,てんこ盛りに入っているハマダンゴムシやハマベハサミムシなどを見て,眠気もふっとんだ様子です.何が何匹採れたか記録した後,全部海岸に放してやりました.今年はかっこいいヒョウタンゴミムシが一匹も採れませんでした(残念).
 朝食後,雲行きが怪しかったのですが,水生昆虫の調査のために裏山に入ります.しかし,到着してしばらくすると土砂降りになり,川がみるみる増水.用心のため,川の調査はあきらめました.そのかわりに,薄日の差し始めた午後から,海岸に生息するハエトリグモ類やら漂着種子やらを集めることに.それらを宿舎に持ち帰り,どうしてそこにそれらが存在するのか考えてもらうことにしました.
ハマダンゴムシ

佐渡渓流

生態学野外実習1日目

 首都大学東京 生命科学コースでは3年生になると生態学野外実習を選択科目として履修することができます.動物生態学研究室と植物生態学研究室の教員・大学院生(TA)と一緒に,佐渡島で5泊6日の実習を行います.今年は8月5日から10日にかけて実施しました.
 1日目は,東京駅に集合して上越新幹線で新潟へ.佐渡島へは新潟港からフェリーで渡ります.餌をもらいに集まってくるウミネコを横目に,フェリーは2時間余りで佐渡両津港に到着します.そこから車に揺られて宿舎に到着.さっそく宿舎の前の海岸に出て,ピットホールトラップ(餌なし)を設置しました.明日の朝,何が採れるか楽しみです.

ウミネコ

佐渡海岸

兄島へ侵入してしまったグリーンアノール

 グリーンアノールは,北アメリカ原産のトカゲの一種で,ペットとして飼われていることもあり,今では,東京都小笠原諸島の父島と母島に外来種として定着しています.そのミトコンドリアDNAの塩基配列の解析に基づき,父島と母島では遺伝的多様性が低いこと,北アメリカのメキシコ湾北部海岸地域の個体群に由来することなどがわかっています(ここを参照).ところが,今年の3月になって,兄島にもグリーンアノールが侵入してしまったことがわかりました(東京都環境局の発表).グリーンアノールは昆虫などを毎日たくさん食べます.新天地で増え過ぎた彼らの捕食圧は強大で,そこに生息している多くの昆虫類を絶滅においやってしまうと考えられています(実際に父島と母島の昆虫相は,兄島などグリーンアノールがいない島に比べてとても貧弱になってしまっています).そこで,兄島の自然が破壊されないように,グリーンアノールの除去が精力的に行われています.こうして兄島で捕獲された個体の遺伝的解析を我々の研究室で行っています.その結果は,現状把握と今後の対策を決める上でとても役立っているはずです.

グリーンアノール茶

高校教員のためのリカレント生物学講座

 首都大学東京 生命科学教室では,毎年,高校が夏休みに入った頃に,「高校教員のためのリカレント生物学講座」を開催しています.今年は7月30日と31日の二日にわたって6講義(1講義90分)がありました.昨日はそのうちの1講義を担当しました.個体どうしの関係について,とくに利他行動を中心にスライドを使って説明し,種族維持という考え方の問題点を指摘しました.社会性昆虫(アブラムシ類,ハチ類,アリ類など)には,どうして自分では繁殖しないで,巣(コロニー)の仲間の世話のみを行う個体(いわゆる兵個体や働き個体)がいるのか,その進化的な説明の仕方を紹介しました.この分野の研究の進展は著しく,高校の教科書でも内容が大きく変更された箇所だと思います.
 南ベトナムで見かけたアシナガバチ類の初期巣
ベトナムアシナガバチ巣
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都立大動物生態

Author:都立大動物生態
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