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源氏蛍(5)

 ホタル類において,「オスとメスが同じくらいの体の大きさの種では,オスは大きな内部生殖器を有し,交尾のときにメスに栄養を渡すが,メスがオスに比べてとても大型化している種(翅の退化や幼形成熟を伴う)では,オスの内部生殖器は小さくなっている」という発見は,アメリカのホタル研究者に注目されました.彼らは2008年にホタル類の配偶行動の進化に関する総説を出し,その中で,この発見を取り上げ,メスにとってのオス由来の栄養の相対的価値と婚姻贈呈の進化に関する一般的なモデル(グラフ)を示しました.彼らはさらに2011年に,ホタル類の内部生殖器の発達の程度や生活史の系統解析を行い,その結果を国際誌に発表しました.解析した32種のうち19種は我々のデータを利用しており,その結論は「A major finding here is the evolutionary correlation between neoteny-induced female flightlessness and loss of spermatophore production by males, which matched the predicted negative association between these traits (Hayashi and Suzuki 2003; 彼らの2008年の総説).」となっています.ここで危惧されることは,今後,この現象は,彼らの2008年の総説とこの2011年の論文を引用して語り継がれてしまうことです.総説を書いて,以降はそれを引用して先に進めるという研究手法は間違いではありませんが,ちょっと寂しい側面もありますね.

写真はスジグロボタルの交尾(雌雄が同じくらいの
大きさなので,オスの内部生殖器は大きい)
スジグロボタル
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