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大きな実と小さな実

 ニホンリスとアカネズミは,オニグルミの実を貯食しますが,クルミの実の大きさによって運ぶ距離が違います.大きなクルミと小さなクルミに小型発信器を取り付けて,それぞれをどこまで運んで貯食したか比べてみました.その結果,ニホンリスでは大きなクルミ(おそらく餌の価値が高い)をより遠くまで運んで隠す傾向がありましたが,アカネズミでは逆に小さなクルミの方を遠くまで運んで隠す傾向がありました.リスに比べて体の小さいネズミでは大きなクルミを遠くまで運ぶのが大変なのでしょう.
 オニグルミにしてみれば,遠くまで運んでもらう方が有利です(ここ).本州以西でニホンリスが棲んでいたら,大きな実の方が遠くへ運ばれます.しかし,もしニホンリスがいなくてアカネズミだけしか棲んでいなかったら,小さな実の方が遠くまで運ばれます.オニグルミの実の大きさは木ごとに違います.アカネズミしかいない地域では,大きな実をつけるクルミの木はだんだん減っていき,小さな実をつけるクルミの木はだんだん増えていくと予測されます.実際に,アカネズミしかいない地域に自生しているオニグルミの実は,ニホンリスがいる地域に自生しているオニグルミの実よりも小さい傾向が認められました(この論文).このように,ニホンリスとアカネズミの貯食行動は,オニグルミの実の大きさの進化にまで影響を与えていそうです.

クルミ大小
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