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3月の西表島(5)

 小笠原諸島や琉球列島の海岸部には,オカヤドカリ類が生息しています.下の写真は西表島で撮影されたムラサキオカヤドカリです.この他にもオカヤドカリ,ナキオカヤドカリという種も生息していますが,普通はすべてこのムラサキオカヤドカリです.海岸に打ち寄せられた巻貝の殻の中に柔らかい腹部を潜り込ませて暮らしています.驚くと,殻の中に完全に潜り込んで大きな硬いハサミで蓋をします.貝殻を大きいものに取り替えないと成長できません.大きな貝殻は稀なので大きなムラサキオカヤドカリも稀です.ムラサキオカヤドカリは小さいと体色が白っぽいままです(小さい個体も性的には成熟している).大きくなって初めて,名前のように体色が下の写真のように紫色になります(写真のは小さめのキウイぐらい).大きな貝殻が多い海岸では体が大型化し,大きな貝殻が利用できない場所では小型化していて,まるで別種のようですが,そうではないのです.外来種であるアフリカマイマイが移入された島では,ときにその大きな貝殻がたくさん転がっています.あるいはサザエなどの貝殻を海岸に捨てておくとそれを彼らは利用します.そのような場所では大きなムラサキオカヤドカリが増えます.
文献:外来種ハンドブック.地人書館.2002年.
   小笠原研究年報 14: 1-9. 1991年

ムラサキオカヤドカリ
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3月の西表島(4)

 写真は西表島で放し飼いにされている牛の背中にアマサギが止まっているところです.アフリカでサイの背中や首筋に鳥が止まっていてダニなどの寄生虫を食べているという映像を見たことがあると思います.サイは寄生虫を取ってもらえ,鳥は餌を簡単に得られるので,両者は相利共生の関係にあると見なせます.一方,鳥が哺乳類や大型の爬虫類などの皮膚をつついて出血させ,その血を吸うという行動も稀に知られています.吸血したダニを捕食したり,寄生虫を剥がしたところが出血したりすると,吸血するという行動が稀に学習によって獲得されることがあると考えられています(吸血を専門とする鳥はいない).この場合,鳥と宿主はいわゆる寄生の関係になってしまいます.
 写真では,たまたまアマサギが1羽だけ牛の背中にいましたが,普通は牛の周りにいます.牛が歩くと,それに驚いてカエル類,バッタ類,コオロギ類などが跳ねて逃げます.アマサギはそれをねらって牛の周りにいるのです.自分で探すより,牛について回った方が餌を見つけやすいのです.この場合,牛とアマサギはどのような種間関係にあるのでしょうね.

牛の背中のアマサギ
牛の牛の周りのアマサギ

3月の西表島(3)

 八重山群島には,カンムリワシ という小型の猛禽類が生息しています.本種は,亜熱帯林や熱帯林の樹林内で狩をします.下の写真の個体は,まだ羽毛が白いので若い個体です.

カンムリワシ

3月の西表島(2)

 セマルハコガメという陸ガメは,日本では石垣島と西表島にしかいません.日本産のものは,ヤエヤマセマルハコガメという亜種として区別されています.この貴重なカメには,また,カメキララマダニというマダニが寄生しています.下の写真で,首から右前足にかけての皮膚にこのマダニが多数付いて吸血しています.マダニ類は,卵,幼ダニ,若ダニ,成ダニという生活環を有していますが,カメキララマダニの成ダニは,陸生あるいは半水棲のカメ類のみを宿主とします.幼ダニ,若ダニはカメ類以外にもキノボリトカゲなどの爬虫類から吸血することもありますが,カメ類がいないと滅びてしまいます.日本では本州のごく一部と沖縄本島および石垣島,西表島がその生息地です.下の写真を見ると,カメもマダニもこの地域で健全に暮らしていることがわかりますね..
文献:ダニのはなし(II),1990年,技報堂出版.
   日本ダニ学会誌, 7: 47-50.1998年.

セマルハコガメ(ヤエヤマセマルハコガメ)

3月の西表島

 石垣島,西表島,与那国島を含む島々を八重山群島と呼びます.ここにはいろいろな固有種,固有亜種が生息しています.イリオモテヤマネコはその代表格です.この地域に棲むクビワオオコウモリもヤエヤマオオコウモリという亜種になっています.

クビワオオコウモリ(ヤエヤマオオコウモリ)
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