イグ・ノーベル賞受賞おめでとう

 今年度のイグ・ノーベル賞に,動物生態学研究室を卒業した学生が共同研究者の一人として選ばれました.この前,彼の書いた本を紹介したばかりでした(このブログ).
 動物は減数分裂をして配偶子を形成し,自分と他個体の配偶子を合体(接合)させて次世代の個体(子)を作ります.配偶子の大きさに様々な変異が生じ,同種なのに大型の配偶子から小型の配偶子を作るものまで出現します.大型の配偶子を作る個体では,少ししか配偶子を作れませんが,接合子は大きいので生存率が高くなります.一方,小型の配偶子を作る個体では,たくさんの数の配偶子を作ることができ,多くの配偶子と接合可能です.つまり,大型の配偶子と小型の配偶子が適応的になり,中間の大きさの配偶子はこれら極端な配偶子に比べ不利になります.こうして,同種の中に,とても大きい配偶子を作る個体と,とても小さい配偶子を作る個体が共存するようになります.ここで,大きい配偶子を卵と呼び,小さい配偶子を精子と呼び,卵を作る個体がメス,精子を作る個体がオスというわけです.体内受精を行う動物(哺乳類,鳥類,爬虫類や昆虫類など)では,一般に精子を渡すオス個体の生殖器が突出しており,精子を受け取るメス個体の生殖器がくぼんでいます.
 今回の受賞論文(下記のCurrent Biology誌に2014年に掲載されたもの)では,体内受精を行う昆虫の1種 トリカヘチャタテ において,卵を作る個体(メス)の生殖器が突出しており,精子を作る個体(オス)の生殖器がくぼんでいるという,常識はずれの現象がとても意外でユニークだったということでしょう.
イグ・ノーベル賞受賞論文
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日本哺乳類学会2017年度大会

 9月8日〜11日に,富山大学で日本哺乳類学会2017年大会が開催されました.動物生態学研究室からは,そこで2件の発表を行いました.新幹線が開通して,富山・金沢へのアクセスが本当に良くなりました.
日本哺乳類学会2017年大会
富山大学

白花の彼岸花

 首都大学東京のキャンパスでは,あれよあれよと言う間に,彼岸花が一斉に咲きだしました.四国などでは,水田の畦道(あぜみち)に彼岸花がたくさん咲いています.どの本に書いてあったか忘れてしまいましたが,畦道は水気の多い土壌なのでミミズが多く,それをねらってモグラが集まり,地下孔だらけになってしまうのだそうです.そうなると,畦が崩れやすくなったり,水がしみ出してしまったりして,水田の管理に不都合です.そこで,古くから,根に毒のある彼岸花をぎっしりと植えて,モグラがこないようにしてきたというわけです.しかし,彼岸花は外来種ですから,花が奇麗だと言う理由だけで,日本固有の植物が自生する山里にまで,それを植えるのは避けたいものですね.キャンパスでは白花が毎年ごくわずかですが咲きます.

彼岸花(白花)

ツノトンボの孵化

 先日,動物生態学研究室の学生が,ツノトンボが孵化している様子を写してきてくれました(下の写真).ツノトンボというのはトンボとはまったく別の昆虫です.脈翅目ツノトンボ科に属する昆虫で,日本からは以下の5種が知られています.
   オオツノトンボ(本州,四国,九州)
   ツノトンボ(本州,四国,九州)
   キバネツノトンボ(本州,九州)
   オキナワツノトンボ(奄美大島〜西表島)
   ヤエヤマツノトンボ(西表島)
 今回のものはツノトンボという種です.夏に成虫が出現し,産み落とされた卵がちょうど今頃孵化のシーズンを迎えます.この後地面に降りて,いろいろな昆虫類の体液を吸いながら成長しますが,とくに巣などを作るわけではないので,地面にいる幼虫を探し出すのは宝探しのようなものです.

ツノトンボの孵化


日帰り調査

 7日は日帰りではもったいないくらい遠くにまで出かけ,野外調査をしました.しかし,現地につくと雨でした.今年はなかなか天気の良い日に都合がつきません.
大野にある山門
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